今回は、コンテンポラリーなスタイルに最も必要な思考の部分について解説したいと思います。
コンテンポラリーなスタイルに最も重要な考え方の1つです。もちろんこれが全てではありませんが、オーソドックスなスタイルからコンテンポラリーへ変えていきたい場合には、まずここをクリアにする必要があると思いますので、是非参考にしてみてください!
コンテンポラリースタイルの思考
早速結論ですが、コンテンポラリースタイルのとても大事な考え方は、
ガイドトーン(3rd、7th)を使わなくても良いと考えること
です。
3rdと7thは必要でしょ!という思考をまずは捨てることから始めましょう。アドリブをするにしてもコードを弾くにしても、ここに縛られているうちはコンテンポラリーには行けません。
アドリブの時も、コードボイシングの時も考え方は同じでOK。とにかく思考から自由になる必要があるということです。
既存の理論をぶち壊していくのが前衛的なコンテンポラリースタイルですから、まずはガイドトーンに縛られることから解放されましょう。
サウンドが浮遊感を持つ2つの要因
コンテンポラリースタイルと言えば、浮遊感のあるサウンドが最大の特徴です。
ハッキリとインサイドではなく、どこか宙に浮いているようなサウンドがコンテンポラリースタイルの分かりやすい特徴です。
がっつりアウトしていく場合もありますが、基本的に浮遊感のある状態がデフォルトになっている感じです。
では、浮遊感のあるサウンドになる2つの要因を解説していきます。
3rd,7thを弾いていない
まずは、冒頭でも書いたように、ガイドトーン(3rdと7th)を弾いていないことが大きな要因となります。
- 3rd→コードの明るい/暗いを決定付ける音
- 7th→ドミナントなのか/そうでないのかを決定付ける
どちらも、そのコードやアドリブのコード感を表現するのにとても大切な音なのですが、この2つの音をあえて弾かないことが、浮遊感の大きな要因の1つなのです。
浮遊感を持たせる時は、
- メジャーなのかマイナーなのか
- セブンスコードなのか
これを、あえてハッキリさせないというのが大切です。
例えば、
- Cmaj7なら、E音を弾かない
- Cm7なら、Eb音を弾かない
- C7なら、EとかBbとかをあえて弾かない
といった感じです。
本来そのコードの土台となる音である3rdと7thを省くことで、コードの響きやアドリブのサウンドを曖昧なものにできるというわけです。
全く別のコードを想定している
もう1つの要因は、そのコードの上で、全く別のコードを想定して弾いているということです。
具体的には、
- Cmaj7の時に、Gmaj7を弾く
- G7の時に、Bbm7b5を弾く
- Am7の時に、Em7を弾く
- F#m7b5の時に、Cmaj7(#5)を弾く
コード弾きの時はもちろん、アドリブの時には、ほぼこのような考え方で、色んなコードを勝手に想定してアドリブしています。
Cmaj7の上でまともにCメジャースケールを弾いたり、Cmaj7のアルペジオを弾いたりすることはほぼありません。
元のコードに対して、全く別のコードを上に乗せているという感覚です。
そして、別のコードというのは何でも良いわけではありません。理論的に使っていい音、弾いて良い音で構成されているものを選んでいます。
このように、別のコードを弾く場合は、想定したコードに、元のコードの3rdや7thが含まれていたとしても、十分な浮遊感を得ることができます。
なぜなら、元のコードと、想定したコード、それぞれが個別にサウンドするからです。
元のコードの上に、全く異なるコードが積み上がっているようなサウンドになります。
要するに、元のコードにテンションが付いているというようには聴こえにくく、理論的には間違ってないけど、2つのまとまったサウンドが同時に鳴っているという音に聞こえるのです。
アドリブでこのアイデアを使う場合は、
スケールを弾くのではなくコードトーンアルペジオで弾くべきです。まとまったコードサウンドが必要なので当然ですね。
スケールで弾くと、ただの難しいテンションが含まれた音列になるだけです。
コードトーンとして弾くことで、アドリブラインが、想定したコードサウンドをハッキリと表現できるのです。
これによって、伴奏のコードとは、明確に違う音を鳴らすことができる。これが浮遊感を生むということになります。
ここまで理解できたでしょうか?
次のページでは、
「弱い浮遊感と、強い浮遊感を作り出す方法」
について解説したいと思います。
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