今回は、コンテンポラリースタイルに必要な思考『浮遊感の正体を暴く』と題した投稿の後編です。
ここでは、
- 弱い浮遊感の作り方
- 強い浮遊感の作り方
上記の2つを具体例と実演を交えて解説しました。 前回のページと合わせて是非ご覧ください!
弱い浮遊感・強い浮遊感を作り出す方法
今回は、コンテンポラリースタイルのサウンドの最大の特徴である浮遊感について解説します。
強い弱い関係なく、浮遊感を出すためには、
別のコードを想定して弾くこと
これが基本となります。
それでは、弱い浮遊感の作り方から解説して行きます。
弱い浮遊感の作り方
結論は、
元のコードの構成音を多く含む別のコードを想定して弾く
です。
Cmaj7の時に「Em7」を弾く
Em7をCmaj7目線で見ると、その構成音は、3rd・5th・M7th・9thとなります。
ルートの代わりに9thが入っているような構成ですね。
ほぼ綺麗なインサイドだが、弱い浮遊感を感じることができるサウンドとなります。
Dm7の時に「Fmaj7」を弾く
Fmaj7をDm7目線で見ると、その構成音は、m3rd・5th・m7th・9thとなります。
先ほどと同じように、9thが入った構成です。
綺麗なDm7(9)というコードになりますが、Dベース上でFmaj7として弾いているので、弱い浮遊感を感じるというわけです。
強い浮遊感の作り方
強い浮遊感を作るには、
元のコードの構成音をなるべく含まない別のコードを想定して弾く
これが結論です。
Cmaj7の時に「Gmaj7」を弾く
Gmaj7をCmaj7目線で見ると、5th・M7th・9th・#11thとなります。
ルート・3rdが省かれ、9thと#11thが入っているという構成ですね。
まず、浮遊感が強くなる大きな要因としては、3rdがないのでメジャー感がハッキリしないことです。
そして、#11thが入っているので、Lydianが持つ特徴的なサウンドになることも絶妙なアウト感を漂わす大事な要素になります。
ただし、使い所には注意しましょう。
普通のツーファイブ、例えば「Dm7-G7-CMaj7」の時になど使うと、かなりの浮遊感になるので注意が必要です。基本的には、自分がタクトを振るうギタートリオやデュオでしか使ってはいけません(笑)。
全体をコンテンポラリーなサウンドでまとめることができるなら良いですが、他の部分がオーソドックスな感じだったり、綺麗なインサイドの場合、Cmaj7の時にGmaj7を弾くのはかなり外れて聞こえる場合があります。
さりげなく入れるなら全体をコンテンポラリーな雰囲気にする必要があります。飛び道具的に使う場合は、いつ使うかをきちんと意識しましょう。
G7の時に、Bbm7を弾く
これは、ペンタでオルタードサウンドを得る方法とかでよく紹介されている理論です。
Bbm7をG7目線で見ると、#9・#11・b7th・b9thとなります。
この時、G7のコードトーンは、かろうじてb7thが含まれているだけなので、かなり強い浮遊感を感じることができます。
強い浮遊感のあるサウンドを使うときの注意点
アドリブでは自分の思うように使えば良いですが、
バッキングで勝手にこんな理論を使ってはいけません。
バッキングは、ソロイストが出した音に呼応して弾くものです。勝手にこちらが浮遊感を持たせるのは控えましょう。
ソロの内容が明らかにコンテンポラリー寄りなら、思い切って仕掛けても良いですが、元のコードがあっての浮遊感なので、バッキングまで浮遊感を持ってしまったら本末転倒です(汗)。
バッキングの際は、ほどほどの浮遊感に留めておく方が良いです。
しっかりとソロの内容を聴いてバッキングしましょう。
まとめ
浮遊感を作り出すには、別のコードを想定して弾きます。
- 弱い浮遊感を作る場合:元のコードの構成音を多く含む別のコードを弾く
- 強い浮遊感を作る場合:元のコードの構成音をなるべく含まない別のコードを弾く
「別のコードを想定して弾く」というアイデアは、拡張性が非常に高いです。
自分のお気に入りのコードを見つけて、たくさん練習しましょう。
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