美しすぎるコード「m7#5」コンテンポラリージャズに必須!『基本編』 | Jazz Guitar Tribe

美しすぎるコード「m7#5」コンテンポラリージャズに必須!『基本編』

今回は、m7#5というコードを紹介します。

コンテンポラリーなスタイルのギタリストはよく使うコードです。 コードの構成や使い方などの基本的な部分を解説していまきす。

美しすぎるコード「m7#5」コンテンポラリージャズに必須!『基本編』

 

m7#5の構成音について

まずは「m7#5」コードの構成音について確認しておきましょう。

Cm7#5の場合だと、

  • ルート(C)
  • m3rd(Eb)
  • #5th(G#)
  • b7th(Bb)

#5は、コードトーンとして扱うので、ナチュラルの5thは含まれません。

もしナチュラルの5th(G)を一緒に弾きたい場合は、「m7b(13)」というコードネームになります。この場合の構成音は、

  • ルート(C)
  • m3rd(Eb)
  • 5th(G)
  • b7th(Bb)
  • b13th(Ab)

となります。

メジャー9thの転回形とも考えられる

このコードは、メジャー9thコードの第1転回形、つまりメジャー9thコードの3rdがベースに来たコードとも考えられます。

考え方としては、むしろこちらの方が自然です。

例えば、Cmaj9というコードを、3rdの「E」から積み上げたものという感じです。

「ドミソレ」→「ミソドレ」という様に積み上げ方を変えると「m7#5」というコードが出来上がります。

メジャーセブンスコードの時に、3rdから始まるm7#5を弾くと、9thが入った綺麗なサウンドを作ることができます。この使い方の方がスタンダードな音使いかもしれません。

そのルートから始まるm7コードとして使うことは基本的にないので注意しましょう。

 

どういう場面で使うのか?

まずは、基本的な2つの場面での使い方について解説します。

メジャーセブンスの時に使う

先ほども紹介した通り、メジャーセブンスコードの時に使う場合が多いです。

例えば、

  • Cmaj7の時に、Em7#5を弾く
  • Fmaj7の時に、Am7#5を弾く
  • Ebmaj7の時に、Gm7#5を弾く

などです。

ちなみに、この場合だと、m7b13という考え方で「5th」の音も一緒に弾くと、maj7コードの7thも入れることができます。

Cmaj7の時に、Em7b13(5thを加えたコード)を弾くと、Cから見た構成音は、

  • E(3rd)
  • G(5th)
  • B(M7)
  • C(R)
  • D(9)

となり、Cmaj7(9)が綺麗に完成します。

この辺りは好みで使い分ければOKです。あえて7thが入っていないCadd9として弾くこともあります。

 

マイナーセブンの時に使う

マイナーセブンの5thから始まる「m7#5」を弾くことで、m7(11)のサウンドを出すことができます。

例えば、

Am7の時に、Em7#5を弾くという形です。

構成音は、Aというルートに対して、

  • E(5th)
  • G(7th)
  • C(3rd)
  • D(11th)

となります。m7コードに、11thを入れることができる構成になります。

この場合も、m7b13にすれば、さらにテンションを加えることが可能です。

Am7の時に、Em7b13(5thを加えて)を弾くと、

Aというルートに対して、

  • E(5th)
  • G(7th)
  • B(9th)
  • C(3rd)
  • D(11th)

となり、結果的に、Am7(9,11)というコードになります。

どちらの場合もルートは省いた状態となります。

 

ギターで弾く場合のポジション

ギターではDrop2ボイシングとDrop3ボイシングが一般的です。

他にもボイシングの種類や転回形を弾くこともできますが、ここでは、最も使いやすい

  • Drop2ボイシングの5弦ルートポジション
  • Drop3ボイシングの6弦ルートポジション

を紹介します。

Drop2の5弦ルートポジション

Drop3の6弦ルートポジション

 

まとめ

基本的な構成音と考え方の解説をしました。

押さえておきたいポイントとしては、

  • 「#5」なのか「b13」なのかの違いを把握しておくこと
  • 「b13」の場合は、5thも一緒に使えること

ここはとても大切なので理解しておきましょう。

 

実際に使える場所についてもしっかりと把握しておいてください。

メジャーセブンコードとして使う

3rdから始まるm7#5を弾くと、メジャー9thコード(add9)になる。

b13として表記する場合は、5thも一緒に弾けるので、M7thも加えることができる。

マイナーセブンコードとして使う

5thから始まるm7#5を弾くと、m7(11)コードになる。

b13として表記する場合は、9thも加えることができる。

 

コード単体の響きがとても美しいので、使い所に関係なく良いサウンドがするのでおすすめです。

コンテンポラリーなスタイルのギタリストは非常によく使うボイシングの1つです。

今回は基本的な部分だけを紹介したので、

  • その他の使い所
  • その他のボイシング(転回形など)

については、また別の機会に紹介できればと思います。

 

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