今回は、m7#5というコードを紹介します。
コンテンポラリーなスタイルのギタリストはよく使うコードです。 コードの構成や使い方などの基本的な部分を解説していまきす。
m7#5の構成音について
まずは「m7#5」コードの構成音について確認しておきましょう。
Cm7#5の場合だと、
- ルート(C)
- m3rd(Eb)
- #5th(G#)
- b7th(Bb)
#5は、コードトーンとして扱うので、ナチュラルの5thは含まれません。
もしナチュラルの5th(G)を一緒に弾きたい場合は、「m7b(13)」というコードネームになります。この場合の構成音は、
- ルート(C)
- m3rd(Eb)
- 5th(G)
- b7th(Bb)
- b13th(Ab)
となります。
メジャー9thの転回形とも考えられる
このコードは、メジャー9thコードの第1転回形、つまりメジャー9thコードの3rdがベースに来たコードとも考えられます。
考え方としては、むしろこちらの方が自然です。
例えば、Cmaj9というコードを、3rdの「E」から積み上げたものという感じです。
「ドミソレ」→「ミソドレ」という様に積み上げ方を変えると「m7#5」というコードが出来上がります。
メジャーセブンスコードの時に、3rdから始まるm7#5を弾くと、9thが入った綺麗なサウンドを作ることができます。この使い方の方がスタンダードな音使いかもしれません。
そのルートから始まるm7コードとして使うことは基本的にないので注意しましょう。
どういう場面で使うのか?
まずは、基本的な2つの場面での使い方について解説します。
メジャーセブンスの時に使う
先ほども紹介した通り、メジャーセブンスコードの時に使う場合が多いです。
例えば、
- Cmaj7の時に、Em7#5を弾く
- Fmaj7の時に、Am7#5を弾く
- Ebmaj7の時に、Gm7#5を弾く
などです。
ちなみに、この場合だと、m7b13という考え方で「5th」の音も一緒に弾くと、maj7コードの7thも入れることができます。
Cmaj7の時に、Em7b13(5thを加えたコード)を弾くと、Cから見た構成音は、
- E(3rd)
- G(5th)
- B(M7)
- C(R)
- D(9)
となり、Cmaj7(9)が綺麗に完成します。
この辺りは好みで使い分ければOKです。あえて7thが入っていないCadd9として弾くこともあります。
マイナーセブンの時に使う
マイナーセブンの5thから始まる「m7#5」を弾くことで、m7(11)のサウンドを出すことができます。
例えば、
Am7の時に、Em7#5を弾くという形です。
構成音は、Aというルートに対して、
- E(5th)
- G(7th)
- C(3rd)
- D(11th)
となります。m7コードに、11thを入れることができる構成になります。
この場合も、m7b13にすれば、さらにテンションを加えることが可能です。
Am7の時に、Em7b13(5thを加えて)を弾くと、
Aというルートに対して、
- E(5th)
- G(7th)
- B(9th)
- C(3rd)
- D(11th)
となり、結果的に、Am7(9,11)というコードになります。
どちらの場合もルートは省いた状態となります。
ギターで弾く場合のポジション
ギターではDrop2ボイシングとDrop3ボイシングが一般的です。
他にもボイシングの種類や転回形を弾くこともできますが、ここでは、最も使いやすい
- Drop2ボイシングの5弦ルートポジション
- Drop3ボイシングの6弦ルートポジション
を紹介します。
Drop2の5弦ルートポジション
Drop3の6弦ルートポジション
まとめ
基本的な構成音と考え方の解説をしました。
押さえておきたいポイントとしては、
- 「#5」なのか「b13」なのかの違いを把握しておくこと
- 「b13」の場合は、5thも一緒に使えること
ここはとても大切なので理解しておきましょう。
実際に使える場所についてもしっかりと把握しておいてください。
メジャーセブンコードとして使う
3rdから始まるm7#5を弾くと、メジャー9thコード(add9)になる。
b13として表記する場合は、5thも一緒に弾けるので、M7thも加えることができる。
マイナーセブンコードとして使う
5thから始まるm7#5を弾くと、m7(11)コードになる。
b13として表記する場合は、9thも加えることができる。
コード単体の響きがとても美しいので、使い所に関係なく良いサウンドがするのでおすすめです。
コンテンポラリーなスタイルのギタリストは非常によく使うボイシングの1つです。
今回は基本的な部分だけを紹介したので、
- その他の使い所
- その他のボイシング(転回形など)
については、また別の機会に紹介できればと思います。
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