ツーファイブをきちんと理解しよう【アドリブ必須理論】 | Jazz Guitar Tribe

ツーファイブをきちんと理解しよう【アドリブ必須理論】

ジャズ理論

今回のテーマは、

「ツーファイブをきちんと理解する」

これです。

これからジャズを勉強する人は必ず知っておくべき理論です。一応分かっている人も再確認の意味で是非確認してみてください。

 

【前編】ツーファイブをきちんと理解しよう【ジャズギターアドリブ】

 

【後編】ツーファイブを理解しよう【循環信仰も覚えてる?】ジャズギターアドリブ理論

 

 

ツーファイブを理解するために【事前知識】

あなたは、ダイアトニックコードを理解していますか?

ダイアトニックコードとは、分かりやすく言うと、「ドレミファソラシドをコード化したもの」です。

Cメジャースケールのダイアトニックコードなら、ドレミファソラシの7つの音を使って、それぞれの音をコードにしていきます。

大切なのは、度数で判断すること。

  • 2度はマイナーセブン
  • 4度はメジャーセブン
  • 5度はセブンス

といった感じですね。

 

ツーファイブとはダイアトニックのⅡとⅤのこと

ツーファイブとは、主にジャズ理論で使われるコード進行のことなんですが、その名前の通り、ダイアトニックのⅡm7ーⅤ7のコード進行のことを指します。

・キーがCなら、Dm7ーG7

・キーがFなら、Gm7ーC7

・キーがBbなら、Cm7ーF7

となります。

 

Ⅱはマイナー7th、Ⅴは7thが原則

Ⅱはマイナーセブン、Ⅴはセブンスであることが原則です。例えば、以下のような場合は、ツーファイブにはなりません。

  • D7 – G7
  • E7 – Am7
  • Dm7 – Gm7

上記の3つは全て「2と5」の関係にありますが、ツーファイブにはなり得ません。なぜなら、ツーファイブは、マイナーセブンとセブンスの組み合わせであることが原則だからです。

 

ここで、「あれ?Dm7b5ーG7の場合はどうなるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、この場合も、基本的にはツーファイブとして捉えてOKです。

解釈としては、マイナーコードへ向かうツーファイブという認識をします。

マイナーのツーファイブは、ザックリ言うと、

Cのハーモニックマイナースケールのダイアトニックから来たツーファイブ

となります。

これは、Cハーモニックマイナーのダイアトニックコードの「Ⅱm7b5」と「Ⅴ7」。

この場合は、CハーモニックマイナーのルートであるCmmaj7へ解決するツーファイブとなります。ですが、実際は、Cmmaj7であることは稀で、ほとんどはCm7に置き換えられます。

曲によっては、Cmaj7へ進行するような曲もありますが(「What is this thing called love?」など)、Dm7b5ーG7というツーファイブ自体は、Cmコードへ向かう機能、性質を持つと考えてください。

結論としては、

m7b5から始まるツーファイブも、同じツーファイブとしてグルーピングしてOK。ただし、m7b5コードの時は、ロクリアンスケールを使いましょう。

そして、この場合のG7の時は、HP5(ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ)が最適なコードスケールとなります。

 

ツーファイブはセットで覚える

ツーファイブは、アルファベットのセットで覚えるのが良いです。

  • D-G
  • G-C
  • C-F
  • F-Bb

みないな感じです。

この関係で、マイナーセブンとセブンスになっていれば、ツーファイブ確定です。

各コード、それぞれの相方は一人しかいないというのがポイントですね。

 

ツーファイブワンまで、できれば循環で覚える

ツーファイブは、「ツーファイブワン」までをセットで覚えるのがオススメです。

Dm7 – G7 -Cmaj7(Cm7)のように、2 – 5- 1までをセットにして覚えてください。

スタンダードでは、ツーファイブワンまでがセットで登場することも非常に多い、というかほとんどがツーファイブワンまでのセットで出てきます。

「ワン」の部分は、メジャーセブンスだったりマイナーだったり、セブンスだったりしますが、大事なのは、ルート音がどの音へ移行しているかどうかです。

Dm7 – G7なら、解決先のルートはC。

ただし、Cmaj7なのか、Cm7なのか、C7なのか、Cmmaj7なのかは曲によりますが、Cをルートに持つコードへ移行していれば、それはツーファイブワンとして捉えましょう。

 

循環進行で覚える

循環進行とは、ダイアトニックの1-6-2-5または、3-6-2-5のコード進行のことを指します。

「Cmaj7(Em7) – A7 (Am7) – Dm7 – G7」という感じですね。

この4つのコードだけで永遠に回し続けることができるので、循環と呼ばれます。セッションのエンディングなんかは、この循環進行だけで延々とソロをとる場合もあります。

2つめの6度のコードは、ダイアトニックならAm7ですが、ジャズの場合はA7となっていることが圧倒的に多いです。Dm7に解決していくセカンダリードミナントですね。この方が解決感の強いコード進行になります。

また、この循環進行はリズムチェンジの核となるコード進行です。例えば、

  • I Got Rhythm
  • Oleo
  • Moose the Mooche

などの曲はこの循環進行をもとにメロディーが付けられた曲です。

 

3-6-2-5(逆順)

先ほどの「1」の部分が、「3」になったものを、「逆順」と言います。

前述したように、曲のエンディングなどで繰り返されるパターンですね。

キーCなら「Em7 – A7 – Dm7 – G7」となります。

これも、Cmaj7には着地せずにEm7に戻ることで永遠に続くコード進行です。

そして、ポイントとなるのが、Em7-A7というのもツーファイブになっていることです。まさにツーファイブの連続技ですね。6度は本来Am7のはずですが、ここをA7に変えてツーファイブにすることで、より強い解決感を持ったコード進行になるのです。

ちなみに、セッションのエンディングの場合は、メロディーを弾いている人が、合図を出したら「3」ではなく「1」へ解決して終わります。

Em7ではなく、最後の最後に合図で「Cmaj7」へ行く。これがセッションの掟です。

ただし、セッションでは決まりがあるわけではないので、いつもそうとは限らないのが面白いところですね。

 

パッとみてツーファイブを判断できるようになろう

リードシートを見た瞬間に、「どこにツーファイブがあるのかを瞬時に把握できること」

これを目標にしましょう。

◯m7-◯7という進行があれば、ツーファイブである可能性が高いです。

ツーファイブはセットで覚え、セットで弾くことを練習しておけば、初見でセッションする場合の恐怖は確実に減ります。

 

「あ、この曲はツーファイブから始まってるな」

「逆順でアタマに戻ってるな」

「Bメロに行く前は転調するキーのツーファイブになってるな」

 

といった感じで、演奏前にある程度その曲の中身を把握できます。

初見で弾く際には、ツーファイブを知っていることと知らないことは雲泥の差ですね。

セッションへ行くならツーファイブは必ず覚えておきましょう。

 

まとめ

ということで、今回は、「ツーファイブをきちんと理解しよう」という内容でお送りしました。

 

ツーファイブとは、

ダイアトニックコードの「2」と「5」が繋がったコード進行のことを指します。

そして、必ずマイナーセブンとセブンスで構成されます。

 

ツーファイブはセットで覚える

  • Dm7-G7
  • Cm7-F7
  • Ebm7-Ab7
  • F#m7-B7

ツーファイブは、必ずセットで覚えるようにしましょう。曲でツーファイブが出てきた時に、瞬時に把握できるかどうかがポイントです。

 

できればツーファイブワンもしくは循環まで覚えよう

ツーファイブは、できればツーファイブワンまで一緒に覚えると良いです。

・Dm7 – G7 – Cmaj7

・Cm7 -F7 -Bbmaj7

スタンダード曲でも、ツーファイブワンまでのセットで登場することが多くあるので、できればワンまで一緒に把握できると良いでしょう。

 

また、循環コード進行も同時に頭に入れておくとさらに良いです。

キーCなら、

1625は「Cmaj7 – A7 – Dm7 – G7」

3625は「Em7 – A7 – Dm7 -G7」

となります。

6度のコードは、Am7ではなくA7として覚えておくのも大事です。ジャズではほとんどの場合、循環進行の6度はセブンスコードになることを覚えておきましょう。

 

また、マイナーのツーファイブ「Dm7b5 – G7 – Cm7」は、ハーモニックマイナースケールのダイアトニックから来たツーファイブだということも把握しておきましょう。

考え方はツーファイブで良いですが、適するスケールは異なるので注意しましょう。

 

ということで、

リードシートを見た時に、ツーファイブを瞬時に判別できるようになることを目標に頑張りましょう。

ツーファイブは、ジャズにおいて欠かせない理論です。必ず覚えて今後の演奏に活かしましょう。

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