こんにちは、ギタリストの富田です。
以前、「フレーズ当てはめ型のアドリブはアリ?なし?【前編】」というページを公開しました。
今回は、その後編となります。フレーズを練習して、それをアドリブに自然に取り入れていくための練習方法を紹介していきます。
フレーズを覚えること自体は悪くない
ジャズっぽいアドリブがしたいなら、
「ジャズっぽいフレーズやアドリブがどのようにして作られているのか」
これを知る必要があるため、フレーズを覚えたり、トランスクライブすることは良い勉強になります。
ですが、多くの人が、フレーズを覚えたところで立ち止まってしまっています。これではせっかくフレーズを練習しても本番では出せない、という事態になってしまいますね。
せっかく学んだフレーズを無駄にしないための4つのステップ
では、ここからフレーズを無駄にしないための4つのステップを紹介していきます。
・そのフレーズをスケールのように捉える
・理論を後付けしていく
・元のフレーズを忘れるくらい弾き込む
まずはそのフレーズを使えるようになること
大前提として、まずはそのフレーズを使えるようになることが条件です。
「フレーズは覚えたけど実践では使えない。。」これでは、宝の持ち腐れです。
まずは、使えるようになりましょう。何回弾いても間違わずに弾けるくらいは練習したいですね。
練習方法
- まずフレーズを使うコードを決める(スタンダードでも特定のコード進行でも良い)
- そのコードが来るたびに、そのフレーズを使う
- フレーズは1つに絞る
何回リピートするかは自由ですが、その間、そのコードに対するアドリブは、そのフレーズだけにしてください。
コードとフレーズをセットにして体感で覚える感じです。マッスルメモリーのようになれば最高ですね。
まずは、自由にそのフレーズを出せるようになることが目標です。
フレーズを出すためには、
フレーズを弾く練習の後に、フレーズを出す(使う)練習が必要です。
この、出す(使う)練習をしていない人が多いので、ぜひやってみてください。
そのフレーズをスケールのように捉える
「スケールのように捉える」という意味なんですが、これは、
フレーズで使っている音を自由に組み替える
ということです。
可能であれば、
ということができればベストです。
フレーズには、それをフレーズたらしめている理由があります。
ある一部分の音使いだったりすることが多いんですが、それ以外は特に、そのままフレーズとして覚えなくても良いんです。
コードに対する大事な音使いさえ残しておけば、後の音使いはさほど重要ではないことも多いです。
もちろんフレーズによるので全てに当てはまる訳ではないですが、多くの場合、1つのフレーズの中には、重要な部分とそうではない部分があるのは事実です。
フレーズを覚えたら、フレーズを1から10まで完璧に弾くのではなく、少しずつ崩しながら弾いていく作業が重要です。
フレーズで使っている音(ポジション)を使って、自分なりの手グセフレーズに仕上げていくという流れで練習していきましょう。
理論を後付けしていく
細かな理論は後からでOKです。
その理由は、
です。
理論を理解し、それをきちんとアドリブに活かすためには、指板上のどこにどの音があるのかを、瞬時に分かっていないと無理です。
どちからと言うと、理論も勉強しつつ、指板上の音を覚えていくことを優先しながら練習するのがベストですね。
指板上の音を把握できていない人は、是非この動画を参考にしてください。
元のフレーズを忘れるくらい弾き込む
フレーズがモノにならない理由のほとんどは、単なる練習不足です。
あれ?元のフレーズってどんなんやったっけ?となるくらい、そのフレーズを弾き込みましょう。
「自分のモノになるまで練習する」とはそういうことです。
そのフレーズや音使いが自分のアドリブの土台になるように、指が無意識にそのフレーズをなぞるようになればOKです。
「せーの、どん!」でフレーズを弾いているうちは、まだまだ自分のモノにはなっていません。
聴いている方にも、フレーズを出しているのがバレバレだし、あんまりカッコ良くないですね。
メセニーやパットマルティーノくらいのアイデンティティがあれば別物ですが、基本的には、フレーズを丸々弾いていることは、バレちゃいけません。
だから、自分の手グセになるくらい、元のフレーズがどんなだったかを忘れるくらい弾き込むことが重要なんです。
まとめ
今回は、前編も含めて、「フレーズ当てはめ型」のアドリブについて考えてみました。
結論は「アリ」です。
ただし4つの条件付きです。
・ジャズっぽい雰囲気さえ出ればOKという人
・理論を理解せずとも楽しく弾ければOKという人
・耳で合っている合っていないを判断出来ている人
フレーズ当てはめ型で頑張るには、
フレーズの量=戦闘力
となってしまいます。
フレーズの量が少ない人や、フレーズを蓄える時間がない人は、フレーズ当てはめ型を上手に活用する術を覚えましょう。
フレーズ当てはめ型を上手く活用する
フレーズ当てはめ型を上手く活用する4つのステップは以下の通りです。
フレーズを使えるようになる
まずは、フレーズをミスなく弾けるところまで練習しましょう。
フレーズを弾くことをミスしているうちはまだまだです。
フレーズのスケール化
ここでは、フレーズで使っている音を自由に使えるようになることが目標です。
フレーズをスケールのように覚えておくことで、特徴的な音使いはそのままに、自分なりにアレンジしながら弾けるようになります。
理論は後付けでOK
理論をきちんと理解して弾きたい人は、指板上の音を理解できているかがポイントです。
とにかくジャズっぽく弾ければ満足!という人は、無理に理論を覚えたり勉強する必要はありません。
元のフレーズを忘れるくらい弾き込む
基本的にはココが足りないのが原因です。
フレーズがフレーズではなくなるくらい、自分の手グセにしてしまいましょう。
ということで、
フレーズ当てはめ型はOKですが、きちんと活用する術を持っておくことが大切です。
もちろん、理想はきちんと理論を理解して、フレーズに頼らずに弾くことです。
頑張って練習しましょう!
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