メロディックマイナーが持つ5つの顔【後編】 | Jazz Guitar Tribe

メロディックマイナーが持つ5つの顔【後編】

アドリブの思考・練習方法

今回は、メロディックマイナーが持つ5つの顔「後編」です。前半では3つの顔について解説しました。

このページでは、

・ロクリアンナチュラル9thとして使う

・リディアンオーギュメントとして使う

の2つについて解説していきます。

 

メロディックマイナーが持つ5つの顔【後編】コンテンポラリージャズギター理論

 

ロクリアンナチュラル9thとして使う

皆さん、m7b5というコードが出てきたら、どんなスケールを弾きますか?

おそらく、多くの人が「ロクリアン」と答えるのではないかと思います。そこで今日は1つ、コンテンポラリーなアイデアを紹介したいと思います。

ロクリアンナチュラル9thというスケールです。

どんなスケールかというと、その名の通り、ロクリアンの9thをナチュラルに変えたものとなります。

そもそもロクリアンの9thはフラットしていることが特徴的なので、それをナチュラルに変えてしまうためアウト感は強めです。

故に、多くのコンテンポラリースタイルの演奏家がよく使っています。

メロディックマイナーには2つの「m7b5」が存在する

このロクリアンナチュラル9thは、メロディックマイナーから来ているスケールです。

メロディックマイナーのダイアトニックコードには、「m7b5」というコードが2つ出てきます。ダイアトニックコードの「6度」と「7度」の2つが「m7b5」になるのです。

そして、ロクリアンナチュラル9thとして考えることができるのは、6番目のダイアトニックスケールです。

ちなみに、7度はオルタードスケールとして使われることが多いですね。弾きたいオルタードスケールの半音上のメロディックマイナーを弾くとオルタードスケールになるというやつですね。

話を戻しましょう。

m7b5に使えるスケールとして、メロディックマイナーの6番目のモードを持ってきます。サウンドはコンテンポラリーなスタイルにピッタリハマります。

本来はb9の暗さがロクリアンの特徴なのに、9thをナチュラルにすることで、少し明るい感じがプラスされるんですね。

コードで弾く場合も、ナチュラル9thをテンションとして入れることができます。バッキングの時にもコンテンポラリーなサウンドを作ることが可能ですね。

ということで、メロディックマイナーが持つ4つ目の顔は、

「ロクリアンナチュラル9thとして使う」

でした。

 

リディアンオーギュメントとして使う

メジャーセブンスコードの時に使うスケールと言えば、

「メジャースケール!」

これ基本中の基本ですね。

ただし、メジャーセブンスコードの時には、他にも使えるスケールがあります。

有名なところで言うと、

リディアンスケールですね。

これは、メジャースケールのダイアトニックの4番目のモード。コンテンポラリーなスタイルでは、4度のメジャーセブンであるかどうはか関係なく、リディアンスケールは、

全てのメジャーセブンスコードの時に使えるスケールであるという位置付けです。

 

さらに、知らない人も多いかもしれませんが、

ハーモニックメジャースケールもメジャーセブンスコードに使えるスケールです。

これは、メジャースケールの6度がフラットしたスケールですね。オーギュメントのサウンドを表現するスケールで、Cmaj7(#5)とか、Caugなどのコード上で使えます。

リディアンスケールは浮遊感のあるスケールですが、こちらはサウンドのキャラクターが強いことが特徴。

フワッとしたサウンドではなく、キリッとした感じ。主張の強いサウンドですね。

過去に解説していますので興味のある方は是非チェックしてみてください。

 

【ハーモニックメジャースケール】って何?『基本編』コンテンポラリースタイルジャズギター

 

話が逸れてしまいました。では本題です。

先ほどお話した「リディアンスケール」と「ハーモニックメジャースケール」の特徴を足したもの、それが「リディアンオーギュメント」というスケールになります。

構成音はこんな感じです。

メジャースケールの、4度と5度をシャープさせた構成音になります。

・リディアンの特徴音である「#11th」

・オーギュメントの特徴音である「#5th」

この2つを両方含んだスケールとなります。

かなりアウト感は強めです。やはり主張の強いオーギュメント(#5th)の影響は大きいですね。

 

メロディックマイナーとの関連性について

リディアンオーギュメントは、メロディックマイナーを3度から並べ替えたものです。

メロディックマイナーのダイアトニックコードの3番目は、「maj7#5」。Cメロディックマイナーだと「Ebmaj7#5」ですね。

このコードの時に使うモードが、「リディアンオーギュメント」です。

ちなみに、別名「スーパーフリジアン」とも言うみたいですが、僕はこの呼び名はあまり好きじゃないです(笑)。

 

アドリブの時は、メジャーセブンスコードを、勝手に「maj7#5」であると想定します。

全体のサウンドのバランスを考えないと、突拍子もないアウト感になってしまうので、使う時はアドリブ全体のバランスを考えて使いましょう。

ということで、メロディックマイナーの5つ目の顔は、

「リディアンオーギュメントとして使う」

でした。

 

まとめ

ということで、メロディックマイナーが持つ5つの可能性について解説しました。

・マイナーメジャーセブンの時に使う

・オルタードとして使う

・リディアンb7として使う

・ロクリアンナチュラル9thとして使う

・リディアンオーギュメントとして使う

少し高度な内容ですが、使えるようになるとコンテンポラリーなサウンドに一気に近付くことができます。

是非チャレンジしてみてくださいね!

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