今回は、コンディミのアウト感はどこから生まれるのか?ということについての動画です。
コンディミがアウト感を持つ理由は、#11thのテンションにあります。実際のフレージングやコードサウンドなどと合わせて解説しています。
なぜコンディミはアウトして聴こえるのか?
今回は、コンディミを弾くとアウトして聴こえる理由について解説していきます。
まず、コンディミを使ったフレーズを聴いてみましょう。ここでは、Dm7-G7-Cmaj7のG7の時に、Gのコンディミを使っています。
- フレーズ①
- フレーズ②
どちらも、浮遊感のあるアウトした感じに聴こえると思います。
では、なぜコンディミがアウトして聴こえるのかを解説していきます。
まず、コンディミの構成音から確認していきましょう。
G、Ab、Bb、B、C#、D、E、Fの7つの音で構成されています。
コンディミは、ルートから半音-全音-半音-全音の順に音が並んで出来たスケールです。シンメトリックと言われるスケールの1つです。
G7に対する機能
では、スケールの各音が、G7に対してどのような機能を持っているのかを見ていきましょう。
ポイントは、コードトーンである、G,B,D,F以外のテンションノートです。
テンションは全部で4つ。Ab、Bb、C#、Eの4つです。
それぞれの機能は、Ab=b9th、Bb=#9th、C#=#11th、E=13thです。
前回の「G7の時にDbのトライアドを弾くとコンテンポラリーなサウンドになる理由」という動画でも解説しましたが、大切なのは、“テンションノートもサウンドキャラクターを持っている” ということです。
テンションは、
・解決感を強めるテンション =b9,#9,b13
・解決感のない7thの時に合うテンション =9,#11,13
の2つのキャラクターに分けることが出来ます。
通常、ツーファイブの時の7thコードの時や、セカンダリードミナントの時には、解決感を強めるオルタードテンションを使います。
特に、b9th、b13thを使うと、サウンドにより強い解決感を与えることが出来ます。
一方で、解決感のない7thコードに使われるナチュラル系のテンションや#11thなどは、全く別のキャラクターを持っています。
特に、オルタードテンションとして一括りにされている「#11th」は、特に解決感のないサウンドキャラクターを持っています。
G7(#11)のコードを聴くと、次に弾きたくなるコードをイメージできないのが分かると思います。一緒に使えるナチュラルテンションである9thを加えても解決感の無さは変わりません。
先ほどの解決感を強めるテンションを使った時のサウンドとは全く異なり、解決感がなく、次に弾くコードサウンドをイメージできません。
これらのテンションノートのキャラクターをきちんと把握しておいてください。
ではコンディミに含まれるテンションをもう一度見てみましょう。
Ab(b9)、Bb(#9)、C#(#11)、E(13)の4つです。
Ab(b9)、Bb(#9)の2つは、解決感を強めるサウンドを持っています。
一方、C#(#11)、E(13)の2つは、解決感のないキャラクターです。
スケールの前半は解決感を持っているが、後半は浮遊感のあるサウンドに変化していくのです。
この後半部分が、コンディミというスケールにアウト感をもたらしていると言えます。
G7というコードは、Cへ解決したがっているのに、そのコードの上で解決感のない#11thや13thを弾くことで、アウト感が生まれるのです。
そして、コンディミの優秀なところは、解決感のあるテンションも同時に含まれていること。
フレージングとしては、フレーズの前半にアウト感のある音を弾き、後半に解決感のあるテンションを使って次のコードへ着地させることで、アウト感を持たせつつ、きちんとコードの解決を表現できます。
アウト感のポイントは、解決感のない#11thのテンションである「C#」の音です。この音を通過していくことで、フレーズにアウト感を持たせることができます。
ギターで弾くメロディックマイナーのポジション
最後に、ギターで弾く時のポジションを紹介しておきます。
- ポジション①
- ポジション②
ということで、
今回は「なぜコンディミを使うとアウトして聴こえるのか?」について解説しました。
参考になれば幸いです。
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