今回は、メロディックマイナーのダイアトニックコードを、色々な場面で使う方法について解説しています。
mmaj7やmaj7#5などのダイアトニックコードを、オルタードやリディアンb7などの部分に使う理由などを紹介しています。
メロディックマイナーのダイアトニックコードが持つ半端ないポテンシャルを最大限に活用する
今回は、メロディックマイナースケールのダイアトニックコードについて深掘りしていきたいと思います。
メジャースケールのダイアトニックコードを知っている、覚えているという人は多いと思います。
では、メロディックマイナーのダイアトニックコードはどうでしょうか?
おそらく、「覚えていない」「あまり考えたことがない」という人も多いのではないでしょうか?
メロディックマイナーのダイアトニックコードは、アドリブ、バッキングのどちらの面でも、非常に有用性が高いです。
では、メロディックマイナーのダイアトニックコードと、その使い方について解説していきます。
メロディックマイナースケールのダイアトニックコード
まず、メロディックマイナーのダイアトニックコードを確認しましょう。
ここでは、わかりやすく「C」のメロディックマイナーで解説していきます。
- Cメロディックマイナーのダイアトニックコード
では、どういう場面で、これらのダイアトニックコードを使えばよいのでしょうか?
考え方は、アドリブもバッキングも同じです。
まずは、
- メロディックマイナースケールを使うことができる部分
- メロディックマイナーに置き換えて考えることができる場面
を覚えましょう。
以下、Cのメロディックマイナーを使える場面です。
- Cmmaj7
- B7(オルタードとして)
- F7#11(リディアンb7として)
他にもシチュエーションはありますが、今回の動画では上記の3つの場面に絞って解説していきます。
この3つの場面で、メロディックマイナーのダイアトニックコードを上手く活用していきます。
極端に言うと、これらの3つの場面では、メロディックマイナーの全てのダイアトニックコードを弾いてもOK、どのダイアトニックを選んで弾いてもOKということになります。
では、それぞれの場面で、どのようにメロディックマイナーのダイアトニックコードを使うべきなのかを見ていきましょう。
Cmmaj7コード上でCメロディックマイナーのダイアトニックコードを弾く
まずは、Cmmaj7コード上で弾く場合です。
ここでは、以下のダイアトニックコードを使うのがおすすめです。
- Ebmaj7#5
- Am7b5
Cmmaj7の上でEbmaj7#5を使う
1つ目は、Ebmaj7#5です。
個人的にはとても好きなコードで、色々な場面で素晴らしいサウンドを生み出してくれます。
では、Cmmaj7コードに対して、Ebmaj7#5がどのような機能を持つのかを確認しましょう。
Cをルートにした時、Ebmaj7#5の構成音は以下のような機能を持ちます。
9thのテンションがポイントです。
Cmmaj7の上でAm7b5を使う
Cをルートにした時、Am7b5の構成音は以下のような機能を持ちます。
メロディックマイナーの特徴音であるナチュラル13th(6th)が入っているのがポイントとなります。
B7の上でCメロディックマイナーのダイアトニックコードを弾く
今度は、B7の上で弾く場合について見ていきましょう。
B7(オルタード)の場面で使うのにおすすめのダイアトニックコードは以下の4つです。
- Cmmaj7
- Dm7
- Ebmaj7#5
- Am7b5
では、それぞれのダイアトニックコードが、B7に対してどのような機能を持つのかを見ていきましょう。
B7の上でCmmaj7を弾く
まずは、B7の時にCmmaj7を弾く場合。
Bをルートにした時、Cmmaj7のコードトーンは以下のような機能を持ちます。
- C(b9th)
- Eb(3rd)
- G(b13th)
- B(root)
最も重要なコードトーンである3rd、そして解決感を強めるb9th、b13thの両方が含まれます。
セカンダリードミナントや、マイナーのツーファイブなどにピッタリな構成音となっています。
B7の上でDm7を弾く
続いて、B7の上でDm7を弾く場合。
Bをルートにした時のDm7の構成音が持つ機能は、以下の通り。
- D(#9th)
- F(#11th)
- A(7th)
- C(b9th)
コードトーンは、7thのみ。しかし、b9th、#9th、#11thの3つのオルタードテンションが含まれます。
「b9th」と「#9th」は解決感を強めるテンションとして機能しますが、「#11th」は、解決感を持たせないキャラクターを持っているため、アウト感(浮遊感)が強まります。
B7の上でDm7を使う時は、かなりアウトして聴こえるので、使い所に注意しましょう。
B7の上でEbmaj7#5を弾く
続いて、B7の上でEbmaj7#5を弾く場合。
Bのルートから見た時の、Ebmaj7#5の構成音が持つ機能は以下のようになります。
- Eb(3rd)
- G(b13th)
- B(root)
- D(#9th)
コードトーンである3rd、そして#9th、b13thというオルタードテンションが含まれています。
Cmmaj7とは、1音違いの構成音になりますので、C(b9th)を使いたいならCmmaj7を、D(#9th)を使いたいならEbmaj7#5を選びましょう。
B7の上でAm7b5を弾く
4つ目は、B7の時にAm7b5を使う場合です。
Bをルートにした時の、Am7b5の構成音が持つ機能は以下のようになります。
- A(7th)
- C(b9th)
- Eb(3rd)
- G(b13th)
メロディックマイナーのダイアトニックコードの中で、最もオルタードらしく綺麗にサウンドするのは、このAm7b5です。
構成音は、Bから見て、3rd、7th、b9th、b13thの4つ。
3rd、7thというガイドトーンを含み、さらに最も解決感を強める機能を果たすb9thとb13thを含む、ほぼ完璧な構成音です。
m7b5を使う場合は、弾きたい7thコードのルートから見て、全音下のm7b5を弾く、という風に覚えておくと良いでしょう。
F7#11の上でCメロディックマイナーのダイアトニックコードを弾く
では、最後にCメロディックマイナーのダイアトニックコードを、「F7#11」の上で弾く場合です。
Fのリディアンb7として弾く時におすすめのダイアトニックコードは以下の2つ。
F7(#11)の上でCmmaj7を弾く
まずは、Cmmaj7がF7にどう機能するか見ていきましょう。
Fから見てCmmaj7の構成音は以下のようになります。
- C(5th)
- Eb(7th)
- G(9th)
- B(#11th)
ここで重要なのは、リディアンb7の特徴音である「#11th(B音)」が入っていること。
Cmmaj7の場合は、7thのB音が、F7から見た#11thになります。また、代理コードに同時に使われるテンションである9thも含まれています。
ただし、rootと3rdが含まれていないため、F7のコード感は弱く、バッキングの場合には注意が必要です。
F7(#11)の上でEbmaj7#5を弾く
続いて、Ebmaj7#5を使う場合。
Fに対して、Ebmaj7#5の構成音は以下のような機能を持ちます。
- Eb(7th)
- G(9th)
- B(#11th)
- D(13th)
root、3rd、5thといったコードの基本であるLower structureは入っていません。
その代わりに、代理コードの時に使える3つのテンションである、9th、#11th、13thが、すべて含まれています。
このEbmaj7#5も、バッキングの時には注意が必要ですが、アドリブソロの時には素晴らしいサウンドを発揮します。
オルタードの時や、mmaj7の時も同様ですが、Ebmaj7#5は、それぞれのコードに対して、非常に質の高い機能を持っているので、是非使ってみてください。
ということで、
「メロディックマイナーのダイアトニックコードが持つ半端ないポテンシャルを最大限に活用する」
というお話でした。
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