メロディックマイナーのダイアトニックコードが持つ半端ないポテンシャルを最大限に活用する方法【ジャズギター理論】 | Jazz Guitar Tribe

メロディックマイナーのダイアトニックコードが持つ半端ないポテンシャルを最大限に活用する方法【ジャズギター理論】

ジャズ理論

今回は、メロディックマイナーのダイアトニックコードを、色々な場面で使う方法について解説しています。

mmaj7やmaj7#5などのダイアトニックコードを、オルタードやリディアンb7などの部分に使う理由などを紹介しています。

 

メロディックマイナーのダイアトニックコードが持つ半端ないポテンシャルを最大限に活用する方法【ジャズギター理論】

 

 

メロディックマイナーのダイアトニックコードが持つ半端ないポテンシャルを最大限に活用する

今回は、メロディックマイナースケールのダイアトニックコードについて深掘りしていきたいと思います。

 

メジャースケールのダイアトニックコードを知っている、覚えているという人は多いと思います。

では、メロディックマイナーのダイアトニックコードはどうでしょうか?

おそらく、「覚えていない」「あまり考えたことがない」という人も多いのではないでしょうか?

 

メロディックマイナーのダイアトニックコードは、アドリブ、バッキングのどちらの面でも、非常に有用性が高いです。

では、メロディックマイナーのダイアトニックコードと、その使い方について解説していきます。

 

メロディックマイナースケールのダイアトニックコード

まず、メロディックマイナーのダイアトニックコードを確認しましょう。

ここでは、わかりやすく「C」のメロディックマイナーで解説していきます。

 

  • Cメロディックマイナーのダイアトニックコード

では、どういう場面で、これらのダイアトニックコードを使えばよいのでしょうか?

考え方は、アドリブもバッキングも同じです。

まずは、

  • メロディックマイナースケールを使うことができる部分
  • メロディックマイナーに置き換えて考えることができる場面

を覚えましょう。

 

以下、Cのメロディックマイナーを使える場面です。

  • Cmmaj7
  • B7(オルタードとして)
  • F7#11(リディアンb7として)

他にもシチュエーションはありますが、今回の動画では上記の3つの場面に絞って解説していきます。

この3つの場面で、メロディックマイナーのダイアトニックコードを上手く活用していきます。

 

極端に言うと、これらの3つの場面では、メロディックマイナーの全てのダイアトニックコードを弾いてもOK、どのダイアトニックを選んで弾いてもOKということになります。

では、それぞれの場面で、どのようにメロディックマイナーのダイアトニックコードを使うべきなのかを見ていきましょう。

 

Cmmaj7コード上でCメロディックマイナーのダイアトニックコードを弾く

まずは、Cmmaj7コード上で弾く場合です。

ここでは、以下のダイアトニックコードを使うのがおすすめです。

  • Ebmaj7#5
  • Am7b5

Cmmaj7の上でEbmaj7#5を使う

1つ目は、Ebmaj7#5です。

個人的にはとても好きなコードで、色々な場面で素晴らしいサウンドを生み出してくれます。

では、Cmmaj7コードに対して、Ebmaj7#5がどのような機能を持つのかを確認しましょう。

Cをルートにした時、Ebmaj7#5の構成音は以下のような機能を持ちます。

9thのテンションがポイントです。

 

Cmmaj7の上でAm7b5を使う

Cをルートにした時、Am7b5の構成音は以下のような機能を持ちます。

メロディックマイナーの特徴音であるナチュラル13th(6th)入っているのがポイントとなります。

 

 

B7の上でCメロディックマイナーのダイアトニックコードを弾く

今度は、B7の上で弾く場合について見ていきましょう。

B7(オルタード)の場面で使うのにおすすめのダイアトニックコードは以下の4つです。

  • Cmmaj7
  • Dm7
  • Ebmaj7#5
  • Am7b5

では、それぞれのダイアトニックコードが、B7に対してどのような機能を持つのかを見ていきましょう。

 

B7の上でCmmaj7を弾く

まずは、B7の時にCmmaj7を弾く場合。

Bをルートにした時、Cmmaj7のコードトーンは以下のような機能を持ちます。

  • C(b9th)
  • Eb(3rd)
  • G(b13th)
  • B(root)

最も重要なコードトーンである3rd、そして解決感を強めるb9th、b13thの両方が含まれます。

セカンダリードミナントや、マイナーのツーファイブなどにピッタリな構成音となっています。

 

 

B7の上でDm7を弾く

続いて、B7の上でDm7を弾く場合。

Bをルートにした時のDm7の構成音が持つ機能は、以下の通り。

  • D(#9th)
  • F(#11th)
  • A(7th)
  • C(b9th)

コードトーンは、7thのみ。しかし、b9th、#9th、#11thの3つのオルタードテンションが含まれます。

 

「b9th」と「#9th」は解決感を強めるテンションとして機能しますが、「#11th」は、解決感を持たせないキャラクターを持っているため、アウト感(浮遊感)が強まります。

B7の上でDm7を使う時は、かなりアウトして聴こえるので、使い所に注意しましょう。

 

B7の上でEbmaj7#5を弾く

続いて、B7の上でEbmaj7#5を弾く場合。

Bのルートから見た時の、Ebmaj7#5の構成音が持つ機能は以下のようになります。

  • Eb(3rd)
  • G(b13th)
  • B(root)
  • D(#9th)

コードトーンである3rd、そして#9th、b13thというオルタードテンションが含まれています。

Cmmaj7とは、1音違いの構成音になりますので、C(b9th)を使いたいならCmmaj7を、D(#9th)を使いたいならEbmaj7#5を選びましょう。

 

B7の上でAm7b5を弾く

4つ目は、B7の時にAm7b5を使う場合です。

Bをルートにした時の、Am7b5の構成音が持つ機能は以下のようになります。

  • A(7th)
  • C(b9th)
  • Eb(3rd)
  • G(b13th)

メロディックマイナーのダイアトニックコードの中で、最もオルタードらしく綺麗にサウンドするのは、このAm7b5です。

構成音は、Bから見て、3rd、7th、b9th、b13thの4つ。

3rd、7thというガイドトーンを含み、さらに最も解決感を強める機能を果たすb9thとb13thを含む、ほぼ完璧な構成音です。

 

m7b5を使う場合は、弾きたい7thコードのルートから見て、全音下のm7b5を弾く、という風に覚えておくと良いでしょう。

 

 

F7#11の上でCメロディックマイナーのダイアトニックコードを弾く

では、最後にCメロディックマイナーのダイアトニックコードを、「F7#11」の上で弾く場合です。

Fのリディアンb7として弾く時におすすめのダイアトニックコードは以下の2つ。

 

F7(#11)の上でCmmaj7を弾く

まずは、Cmmaj7がF7にどう機能するか見ていきましょう。

Fから見てCmmaj7の構成音は以下のようになります。

  • C(5th)
  • Eb(7th)
  • G(9th)
  • B(#11th)

ここで重要なのは、リディアンb7の特徴音である「#11th(B音)」が入っていること

Cmmaj7の場合は、7thのB音が、F7から見た#11thになります。また、代理コードに同時に使われるテンションである9thも含まれています。

ただし、rootと3rdが含まれていないため、F7のコード感は弱く、バッキングの場合には注意が必要です。

 

F7(#11)の上でEbmaj7#5を弾く

続いて、Ebmaj7#5を使う場合。

Fに対して、Ebmaj7#5の構成音は以下のような機能を持ちます。

  • Eb(7th)
  • G(9th)
  • B(#11th)
  • D(13th)

root、3rd、5thといったコードの基本であるLower structureは入っていません。

その代わりに、代理コードの時に使える3つのテンションである、9th、#11th、13thが、すべて含まれています。

 

このEbmaj7#5も、バッキングの時には注意が必要ですが、アドリブソロの時には素晴らしいサウンドを発揮します。

 

オルタードの時や、mmaj7の時も同様ですが、Ebmaj7#5は、それぞれのコードに対して、非常に質の高い機能を持っているので、是非使ってみてください。

 

ということで、

「メロディックマイナーのダイアトニックコードが持つ半端ないポテンシャルを最大限に活用する」

というお話でした。

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