メロディックマイナーの5つの顔とは?圧倒的ポテンシャルに迫る【前編】 | Jazz Guitar Tribe

メロディックマイナーの5つの顔とは?圧倒的ポテンシャルに迫る【前編】

ジャズ理論

メロディックマイナーが持つ5つの可能性について解説しました。

 

メロディックマイナーの5つの顔とは?【前編】コンテンポラリージャズギター

 

まずは前編となります。

メロディックマイナーに関する動画は過去にもいくつか紹介しましたが、今回はまとめ的な内容になります。

・マイナーメジャーセブンの時に使う

・オルタードとして使う

・リディアンb7として使う

上記の3つについて解説しています。

また、後編の動画では、

・ロクリアンナチュラル9thとして使う

・リディアンオーギュメントとして使う

の2つについて解説します。 是非チェックしてみてください!

 

メロディックマイナーの基礎知識

メロディックマイナーの構成は以下のようになります。

メジャースケールの3rdが半音下がったスケールです。

前半はマイナーで後半はメジャーという感じですね。サウンド自体は、とても曖昧で浮遊間があります。

では、メロディックマイナーが持つ5つの顔を1つずつ確認していきましょう。

 

マイナーメジャーセブンコードに使える

ダイアトニックコードの観点から考えると、メロディックマイナーの1度のダイアトニックコードは「mmaj7(マイナーメジャーセブン)」というコード。

そのため、Availableスケールとしては、これが最もストレートな解釈となります。

 

マイナーメジャーセブンのコードトーンを見ても、Cmmaj7の場合のコードトーンは、「C、Eb、G、B」の4つ。

このコードトーンを含むマイナースケールは、

メロディックマイナーもしくはハーモニックマイナーのどちらかとなります。

 

メロディックマイナーとハーモニックマイナーの違いは、6度がナチュラルなのか、フラットしているのかの違いなので、曲の流れや他の部分のコードにも寄りますが、解釈は個人の自由でOKなのかなと思います。

 

マイナーメジャーセブンコードに使って良いスケールとしては、どちらも正解ということですが、メロディックマイナーの方が、コンテンポラリー寄りなサウンドがする、という感じです。

ということで、メロディックマイナーの1つ目の顔は、

「マイナーメジャーセブンコードの時に使える」

ということでした。

 

オルタードとして使える

続いては、オルタードとして使えるというお話です。

メロディックマイナーは、オルタードスケールに置き換えることが可能です。

考え方としては、

弾きたいコードの半音上のメロディックマイナーを弾く

それが結果的にオルタードスケールになります。

 

では、ダイアトニックコードから考えてみましょう。

メロディックマイナーのダイアトニックスケールの7番目がオルタードになります。

でも、メロディックマイナーの7番目のダイアトニックコードは「m7b5」。だから、本来はメロディックマイナーの7番目のスケールは、セブンスのものではなく「m7b5」のスケールであるということです。

スーパーロクリアンという名前がついたスケールですね。

ただし、m7b5で使うには、「m3rd」と「major3rd」が混在している感じになるので、ハーモニー的には使いにくいんです。

結局、メロディックマイナーをオルタードとして弾くことはできるけれども、オルタードスケール自体は、メロディックマイナーから生まれたものではないと考える方が自然です。

 

オルタードスケールは、1・3・7のコードトーンに、

1・3・7のコードトーンに、「b9・#9・#11・b13」の4つのオルタードテンションを加えて出来たもの

 

ただし、

変換して考えるには、メロディックマイナーが一番簡単で覚えやすいです。結論としては、オルタードはメロディックマイナーに置き換えるのがおすすめですね。

 

特に弾き慣れないセブンスコードのオルタードなら、半音上のメロディックマイナーとして考えた方がラクになる場合が多いです。

例えば、

・Gb7=Gメロディックマイナー

・B7=Cメロディックマイナー

・Db7=Dメロディックマイナー

といった感じです。かなり簡単に感じませんか?

これなら難しいオルタードスケールも弾けそうな気がしますね。

 

ということで、メロディックマイナーの2つ目の顔は、

「オルタードスケールとして使える」

ということでした。

 

リディアンb7(リディアンドミナント)として使える

3つ目は、リディアンb7として使う方法です。

代理コードの時や、2度セブンスの時などに使うリディアンb7ですが、これもメロディックマイナーから来たスケールと捉えることができます。

 

まず、リディアンb7というスケールの構成を確認しておきましょう。以下はCのリディアンb7です。

リディアンという名前が付いているくらいなので、当然「#11th」というテンションが特徴的な音となります。

リディアン=#11thと思って大丈夫なくらい、リディアンといえば「#11」。

 

さらに、7度がフラットしているため、通常のリディアンスケールが、メジャーセブンスコードに対するスケールであるのに対し、リディアンb7は、ドミナントセブンスコードに対するスケールとなります。

 

メロディックマイナーとの関連性について

メロディックマイナーを4番目の音から並べ替えたものが、リディアンb7となります。

メロディックマイナーの4番目のダイアトニックコードは「Ⅳ7」。Cのメロディックマイナーなら「F7」ですね。

このF7の時に、CメロディックマイナーをFから並べ替えて弾きます。

 

メロディックマイナーの4番目のダイアトニックスケールという扱いをするということですね。

リディアンb7というスケールは、メロディックマイナーの4番目のモードである

そう意識して弾くのも1つの方法だということです。

メロディックマイナーを弾けるなら、リディアンb7も使えるということになります。

 

ということで、メロディックマイナーの3つ目の顔は、

「リディアンb7(リディアンドミナント)として使える」

ということでした。

 

残りの2つの顔は後編で紹介します。

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