今回は、アドリブ初級者がまずやるべき3つのことについて解説しました。
僕自身が考える、バランス良くレベルアップするために必要なことを3つ厳選して紹介しています。
- メジャースケール
- 3和音コード
- ロストせずに最後まで聴く(弾く)
上記の3つについて詳しく解説しています。アドリブをこれから始めたい人は是非参考にしてみてください。
アドリブ初心者がやるべき3つのこと
アドリブ初心者の人が最初にやるべきだと思う3つのことは以下の通りです。
- メジャースケール
- 3和音コード
- ロストせずに曲を最後まで聴き通す(弾き切る)
それぞれ詳しく解説していきます。
まずはメジャースケールを極めるべし
メジャースケールは、言うまでもなくアドリブの土台となるスケールです。
メジャースケールをマスターできれば、アドリブの50%はクリアしたと言っても過言ではありません。
メジャースケールの習得することで、
- コード進行が難しくてもとりあえず対処できる
- 初見でもキーさえ分かればアドリブ可能
- クロマチック系のアプローチを使えば十分ジャジーに弾ける
このようなメリットがあります。
メジャースケールの練習方法
メジャースケールを練習するには、以下の4つのステップで進めていくのがおすすめです。
- 弾きやすいポジションを覚える
- ルートから弾き始める〜徐々にランダムに
- Cycle of 4thなどを使って12キーで練習する(ルーティーン的に)
- 転調を含まない曲を選んで、メジャースケールだけでアドリブ練習
まずは弾きやすいポジションを覚える
まずは自分が弾きやすいポジションを選びましょう。
使えるポジションは徐々に増やせばOKなので、いきなり全部のポジションを覚えようとする必要はありません。
1つずつ自由に使えるポジションを増やしていきましょう。
ルートから弾き始めて徐々にランダムに
ポジションを覚える段階で、まずはルートから弾き始めましょう。
ここがスケール練習の1丁目1番地です。できれば、ルートを目印にして、弾いて良い場所を覚えていきましょう。
ルートから弾けるようになったら、できるだけ色んな場所から弾いていく練習をしましょう。ルートから弾くだけの練習だと、ルートからしか弾けなくなってしまいます。
アドリブはルートから弾くことの方が少ないので、メジャースケール内の色んな場所から色んな方向に、行ったり来たり、戻ったり、音を飛ばしたりしながら、ランダムに弾けるようになっていきましょう。
Cycle of 4thなどを使って12キーで練習する(ルーティーン的に)
メジャースケールは、アドリブの土台となる大事なスケールです。スタンダード曲は、色んなキーで演奏されるので、練習の段階で、たくさんのキーを弾いて、経験しておくのがおすすめです。
1つのポジションが分かっていても、別のキーで弾く時、別の場所へ移動しただけなのにスケールのポジションが見えなくなってしまうことはよくあります。
同じ型でも、場所が変わると別のものに見えてしまうのです。そこで12キーを、機械的に練習していくことを僕はおすすめしています。
12キーを練習するときは、サイクルオブ4thで弾くのがおすすめです。以下のページで詳しく解説していますので是非チェックしてみてください。
転調を含まない曲を選んで、メジャースケールだけでアドリブ練習
ポジションを覚えて、ランダムに弾けるようになってきたら、実際に曲を使って練習していきましょう。
曲選びのポイントは、なるべく転調を含まない曲を選ぶこと。転調があると、1曲の中で2種類の異なるメジャースケールを使うことになるので、難易度が上がってしまいます。
最初は、転調のない曲で練習していきましょう。
以下の曲は転調を含まない曲です。セッションでも定番の曲となっていますのでぜひチャレンジしてみてください。
- Fly Me To The Moon
- All of me
- St.Thomas
- Black Orpheus
メジャースケールを極める次の段階
ここまでクリア出来たら、もう少しメジャースケールを深掘りして、より高度な扱いができるように練習していきます。
以下の3つのステップを行ってみましょう。
- 各コードのルートから弾き始める
- 各コードの3rdから弾き始める
- コードトーンを少しずつ意識する
選んだ曲に応じて、そのコード進行の各コードに対して、ルートから弾いたり、3rdの音から弾いたりすることで、メジャースケールだけでも十分コード感のあるアドリブは可能になります。
もし、これからメジャースケールを練習したいけど、どんな手順で始めれば良いかわからないという人は、以前、メジャースケールの練習方法の動画をアップしていますのでそちらを是非チェックしてみてください。
3和音コードでバッキングはとりあえずOK
ジャズのセッションにおいては、アドリブも大事だけど、まずはバッキングできることが何より重要です。
しかも、ギターは元々リズム隊の楽器。ピアノがいない場合はコード楽器としての役割を果たす必要があるので、コードを弾けることは絶対条件です。
むしろアドリブの練習をする前に、コードの練習、バッキングの練習をするべきだとも思います。
ここでは、コード練習の入り口として、まずは3和音コードの練習をおすすめしたいと思います。
3和音コードとは?
ここでの3和音コードとは、
- ルート
- 3度
- 7度
で構成された和音のことを言います。5度を省いた構成です。
- Cmaj7なら、C・E・B
- Dm7なら、D・F・C
- G7なら、G・B・F
という感じです。
なぜ3和音コードが必要なのか?
大切なのは、コードサウンドを決定付ける「3度と7度(ガイドトーンと呼ぶ)」を覚えることです。
m7b5などの、5度の音が特徴となるコード以外は、ガイドトーンだけでコードのキャラクターは完成されるため、基本的には3度と7度だけでバッキングが可能です。
ベーシストがいればルートを弾く必要もありません。
コードバッキングをする際に、まず必要なのは、そのコードの3度と7度です。
- 3度=コードの明るい or 暗いを決定する
- 7度=ドミナントなのかそうでないのかを決定する
まさに、コードサウンドを決める重要な2つの音であるということです。
コードフォームについて
ギターで弾く場合のコードフォームを紹介します。
6弦ルートの場合
- メジャーセブンス
- マイナーセブンス
- セブンス
- マイナーセブンb7
m7b5コードは、b5が特徴的な音になるので、ルートを省く以外は3和音で表現できません。m7b5については4和音で対処しましょう。
5弦ルートの場合
- メジャーセブンス
- マイナーセブンス
- セブンス
- マイナーセブンb7
コードバッキングの練習方法
コードの練習は、以下の3つのステップで行ってみましょう。
- ツーファイブのパターン
- 4度進行(Cycle of 4th)
- 好きなスタンダードを全て3和音でバッキングする
ジャズに必須のツーファイブのパターンをまずは練習しましょう。これだけで多くのスタンダードの大部分を弾くことができます。ツーファイブの時のコードの動きを覚えれば、キーに関係なくバッキングできるのでまず最初にツーファイブを覚えるのがおすすめです。
覚えにくいコードや、コードのパターンは、サイクルオブ4thで練習しましょう。アドリブよりも、コードの方が12キーに対応する能力が求められます。
アドリブは何となくで乗り切れますが、コードを間違うとハーモニーがすべておかしなことになってしまうので、間違うことはできません。コードは、常に12キーで弾けるように準備しておく必要があるでしょう。
パターンやコードフォームをある程度覚えたら、曲のコード進行で練習してみましょう。
ここで大事なのは、1曲を長くやりすぎないことです。スタンダード曲にかぎらず、音楽はキーが同じであれば、その曲に出てくるコードやコード進行は大体同じです。
1曲に集中し過ぎると、その曲専用の動きとしてコードを覚えてしまいます。これは良くないです。
コードバッキングもアドリブも、如何に他の曲にも応用できるかが大事なので、1曲にかける時間はできるだけ短くてOKです。
最初はコードネームとコードフォームを結びつける作業に慣れて、コードを見慣れて、コードを弾きなれることが重要です。
1曲をマスターしないでください。マスターせずにどんどん色んな曲をこなしていってください。コード進行のパターンに慣れることが大事です。その曲専用のバッキングにならないように気をつけましょう。
ロストせずに最後まで聴き通す(弾き切る)
3つ目は、ロストせずに最後まで曲を聴く(弾く)ことです。
アドリブ初心者の人に最も必要なスキルは、
です。
ここをクリアできていないうちは、アドリブ中にどこを弾いているか分からなくなってしまいます。
演奏するときだけでなく、聴く時にも、常に頭の中でコード進行を追いかけて、ロストしないように心掛けましょう。
まずは、
- 好きなアーティストを選んで
次に、
- スタンダード曲をやっているCDを見つけて
それを
- リードシートを見ながら最後まで聴く
この手順で音楽を最後まで集中して聴いてください。
聴くときには次の2つのポイントに注意しましょう。
- アレンジされている場合もあるので注意すること(できるだけクラシックなものを選ぶ)
- イントロは決まったものがないので、リードシートを追うのはテーマが始まってからでOK
ロストせずに最後まで聴けるようになったらOKです。特に、ドラムソロとかで「あーどこ行った?」ってならないように頑張って聴きましょう。
また、普段から譜面を追いながら聴くことが大切です。通勤中や運転中はもちろんダメですが、家で聴くときなどは、スタンダードブックを見ながら聴くと、また色々な発見があるでしょう。
弾いて練習する場合は、
- iRealproなどのマイナスワン→徐々にメトロノームオンリーで
- うろ覚えだなーという段階で、メトロノームオンリーでやってみる
- ロストした部分を覚え直す
という手順で行いましょう。
大事なのは、うろ覚えの段階で譜面から離れてみることです。そうすることで覚えていない部分を明確にし、その部分を集中的に練習することができます。
この練習をやる意味
アドリブにおいて非常に大切なのが、
小節感覚を身に付けること
です。
小節感覚とは、
4小節・8小節・16小節・32小節などの区切りを感覚で分かっていることです。
最初は今どこを弾いているのか分からなくなってしまいますが、練習していくうちに、これらの小節の区切りが感覚で分かるようになってきます。
小節感覚は、言葉では言い表すのが難しいですが、とても大切です。頑張って身につけましょう。
また、この練習で、
コード進行のよくあるパターンを知ることにも繋がります。
キーが同じなら出てくるコードも大体同じ。
ツーファイブや代理コードなども大体同じ。
スタンダードは、キーが同じなら、曲の構成は大体同じです。同じパターンで構成されています。それを覚えるためにも、コード進行を常に考えながら聴くことは非常に大切です。
まとめ
今回は、アドリブ初心者がまずやるべき3つのことについて解説しました。
- メジャースケール
- 3和音コード
- ロストせずに曲を最後まで聴き通す(弾き切る)
言い方を変えると、
- アドリブの練習
- バッキングの練習
- 曲を覚える(ロストせずに弾くため)
という感じです。
この通りに練習していくことで、3つの大事な要素を少しずつマスターできます。
これからアドリブを習得していくための大切な土台となるので必ずマスターしましょう。
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