今回は、枯葉のアドリブ練習をするときに、最も注視すべき1つのポイントについて解説しました。
ここでは、
- D7の時に「F#」の音を弾く
というポイントに絞って解説をしています。
- なぜ「F#」の音が重要なのか?
- そもそもD7はどこから来たの?
- D7の時に使うスケールは?
上記のような内容となっています。枯葉の練習をしている人や、何に気を付けて練習をすれば良いか分からない人は、是非参考にしてみてください。
枯葉のアドリブにおいて最も注視すべきポイントとは?
いきなり結論です。
これです。
では、なぜ「F#」の音が重要なのでしょうか?
その理由は、
基準となるGmスケールに入っていない“ノンダイアトニックな音”だから
です。
ノンダイアトニックな音は、その他の音に比べて目立ちます。要するに、
枯葉のコード進行における、最も重要な特徴音の1つである
ということになります。
枯葉のアドリブの土台となるのは、
- Gのナチュラルマイナー
- Bbメジャースケール
のどちらかです。考え方が違うだけで中身は同じですね。
D7の3rdの音である「F#」は、
Gのナチュラルマイナースケールにも、Bbメジャースケールにも含まれていない音です。
どちらのスケールにおいても、F音はナチュラルなので、
D7の時だけ、ナチュラルの「F」を半音上げてシャープさせてあげることで、D7のコード感を明確に表現できます。
D7以外は、ほぼ全てGナチュラルマイナー、もしくはBbメジャースケールのダイアトニックコードなので、D7が出てくるときだけ「F」を「F#」にすることが必要です。
D7はどこから来たのか?
キーGmもしくはBbのダイアトニックコードに、D7というコードは存在しません。では、D7というコードはどこから来たのでしょうか?
答えは、
Gの「ハーモニックマイナースケール」のダイアトニックコードの5番目のコード
です。
ナチュラルマイナーやドリアンではなく、Gのハーモニックマイナーのダイアトニックコードに存在する「D7」を一時的に借りてきている、という解釈をします。
ちなみに、Gのナチュラルマイナーのダイアトニックコードだと、5番目はDm7になります。
D7というコードを的確に捉えるためには、F#の音をきちんと弾くことが何より重要であることをしっかりと覚えましょう。
D7の時に使うスケールは?
枯葉に出てくる「D7」の時に弾くべき最も正しいスケールは、
DのHP5(ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ)
です。
DのHP5は、GのハーモニックマイナーをDの音から並べ替えたものです。
枯葉の場合の「D7」というコードは、Gのハーモニックマイナーのダイアトニックコードだと考えるのが最も自然です。
もちろん、
- Dのオルタード
- Dのコンディミ
などを使っても問題ないです。ここは好みの問題なので、正解はたくさんあります。
ただし、最も適したスケールを挙げるとするならば、Gのハーモニックマイナーを5番目の「D音」から並べ替えたものである、Dの「HP5」を弾く、という考え方が一番しっくり来ます。
もう一度繰り返しますが、
D7というコードは、Gのハーモニックマイナーのダイアトニックコードの5番目。
だから、Gハーモニックマイナーを5番目の「D音」から弾く。
考え方は、Gのハーモニックマイナーのダイアトニックスケールを弾くという考え方です。
メジャースケールなら5番目から弾くスケールは「ミクソリディアン」ですが、ハーモニックマイナーの場合は、「HP5」というスケールになる、ということです。
HP5というスケールの簡単な2つの覚え方
1つ目の覚え方は、ナチュラルマイナーを基準に考える方法。
Gのナチュラルマイナースケールの「F」の音を「F#」に変えるだけで、DのHP5は完成します。とても簡単ですよね。
新しいスケールを覚えるという感覚ではなく、1つだけ音に変化を加えれば良いんです。この方が精神的にかなりラクになります。
2つ目は、セブンスのスケールとして考えるという方法。
基準となるのは、最もナチュラルなセブンススケールであるミクソリディアン。
このミクソリディアンスケールの「9th」と「13th」を半音下げたスケールが「HP5」になります。
結局のところセブンスコードに合うスケールとして弾くので、セブンスコード目線で把握するのが良いかもしれません。
HP5の詳しい解説は、以前の動画で解説していますので是非ご覧ください。
これが枯葉を練習する時の、最も大切なポイントの1つになります。
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