今回は、セカンダリードミナント上のアドリブを簡単に弾くアイデアをシェアしたいと思います。
各セカンダリードミナントごとに1つ1つ個別のスケールを覚えるのは大変ですよね。ここでは、そのキーの基準となるメジャースケールから、必要な音を変化させて弾く方法を紹介します。
基本的には、
メジャースケールの音を1つか2つ変化させることで、「HP5(ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ)」に変換できる
というアイデアとなります。 是非参考にしてみてください!
セカンダリードミナントの弾き方を簡単に考える
今回のアイデアは、スケールを個別に覚える必要のない考え方です。
どのコードに適用できるかというと、
- Ⅰ7(Ⅴ7/Ⅳ)
- Ⅱ7(Ⅴ7/Ⅴ、ただしここではリディアンのダイアトニックとして解釈)
- Ⅲ7(Ⅴ7/Ⅵ)
- Ⅵ7(Ⅴ7/Ⅱ)
- Ⅶ7(Ⅴ7/Ⅲ)
上記5つのコードに対する弾き方のアイデアです。
それでは具体的に見ていきましょう。
メジャースケールからの変化で考える
今回は、メジャースケールの音を変化させるという考え方の紹介です。
2通りパターンがあって、
- 1音だけ変えるパターン
- 2音変えるパターン
この2つのパターンで行います。
1つのメジャースケールポジションの場所内で、必要な音を変化させる
という方法になります。
各コードごとの解説
ここでは、すべてキーCで解説します。
ポジションは、3弦5フレットからスタートする場所を使います。
C7(Ⅰ7)の場合
理論的な解釈は、Ⅳmaj7に解決するV7です。
使うスケールは、Cミクソリディアンが最もストレートな手段。この場合、メジャースケールから変化する音は、「B→Bb(C7のb7th)」だけです。
よりジャズっぽいサウンドにするためには、「Cミクソリディアンb9」がおすすめです。
この時、メジャースケールから変化する音は、
- D→Db(C7のb9th)
- B→Bb(C7のb7th)
この2つです。
Cミクソリディアンb9とは、ハーモニックメジャースケールの5番目のダイアトニックスケールです。
ハーモニックメジャースケールとは、メジャースケールの「6th」がフラットしたスケール。
ミクソリディアンb9というスケールは、
b9thのテンションはHP5的な暗いサウンドを持つが、13thがナチュラルなので明るい雰囲気もミックスされる
という特徴を持っています。
Ⅳmaj7に向かうセカンダリードミナントは着地先がメジャーコードなので、明るい響きのスケールの方がよりマッチします。
- b9thで不安定感は強く
- ナチュラル13thで全体の印象は明るくする
この理想を叶えてくれるスケールです。
ハーモニックメジャーのようなあまり知られていないスケールで考えなくても、ミクソリディアンスケールの9thをフラットさせれば良いだけのスケールです。是非活用してみてください。
D7(Ⅱ7)の場合
理論的な解釈は、Cリディアンのダイアトニックコードの2番目となります。通常のセカンダリードミナントとは少しサウンドが異なるので注意しましょう。
Cリディアンを2番目の音から弾くとキレイにサウンドします。結果的にはCのミクソリディアンを弾いていることになります。
Cメジャースケールから変化する音は、「F→F#」のみとなります。
E7(Ⅲ7)の場合
理論的な解釈は、Ⅵm7(Am7)に解決するⅤ7です。
スケールは、Eの「HP5(ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ」を弾きます。これは、 Aハーモニックマイナーを弾くのと同じです。
Cメジャースケールから変化する音は、「G→G#」のみとなります。
A7(Ⅵ7)の場合
理論的な解釈は、Ⅱm7(Dm7)に解決するⅤ7です。
スケールは、Aの「HP5」を弾きます。これは、Dハーモニックマイナーと同じになります。
Cメジャースケールから変化する音は2つ。
- C→C#(A7の3rd)
- B→Bb(A7のb9th)
B7(Ⅶ7)の場合
理論的な解釈は、Ⅲm7(Em7)に解決するⅤ7です。
スケールは、Bの「HP5」を弾きます。これは、Eハーモニックマイナーと同じです。
Cメジャースケールから変化する音は2つ。
- D→D#(B7の3rd)
- F→F#(B7の5th)
まとめ
今回は、セカンダリードミナントの簡単な弾き方のアイデアを紹介しました。
1つ1つ、個別にスケールを覚えるのではなく、
基準となるメジャースケールから、どのように音を変化させるかを把握する方法
です。
メリットとしては、
スケールを丸覚えするよりもきちんとコードごとに特徴的な音を意識することが可能なので、
よりコードに沿ったアドリブが可能になること。
スケールを覚えても特徴音を意識できていないと、コード感を上手く表現できないので、スケールを覚えるよりも効果的かつ合理的なアイデアです。
セカンダリードミナントは、キーとの親和性が高いので、実はスケールの構成音もメジャースケールとさほど変わりません。
と考えてください。
変化させる音を意識できれば、コード感を明確に表現できるようになります。
もし余裕があれば、ハーモニックメジャースケールも是非覚えてみてくださいね。
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