【アドリブ必須理論】セカンダリードミナントについて詳しく解説 | Jazz Guitar Tribe

【アドリブ必須理論】セカンダリードミナントについて詳しく解説

ジャズ理論

今回は、「セカンダリードミナントについて理解する」ということで解説して行きたいと思います。

【アドリブ必須理論】セカンダリードミナントについて詳しく解説【ジャズギター】

ドミナントモーションを理解していることが前提となるので、もしドミナントモーションが分からない人は、まず以下の記事をご覧ください。

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ドミナントについての確認しておく

まずは、ドミナントコードについて確認しておきましょう。

ドミナントとは?

3rdと7thの関係のことをトライトーンといい、トライトーンを含むコードをドミナントコードと呼美ます。

簡単に言うと、セブンスコードのことを、ドミナントだと思ってOKです。メジャースケールのダイアトニックにおいては、5番目の和音がドミナントコードとなります。

そのため、分析(アナライズ)の時は、ドミナントコードは「Ⅴ7」として解釈します。

 

ドミナントモーションとは?

「セブンスコード」が完全4度上のコードに解決することをドミナントモーションと言います。

ダイアトニックコードで言うと、Ⅴ7→Ⅰmaj7へ進行することですね。

大事なのは、

セブンスコードが解決するコードは理論上決まっている

ということ。

例えば、

  • G7→Cmaj7
  • D7→Gm7
  • Bb7→Ebmaj7
  • A7→Dm7

のような感じです。

ドミナントモーションとは、ルートが完全4度上へ移動することを指します。

ポイントは、解決先(移動先)のコードが、maj7だろうがm7だろうが関係ないこと。ルートがG→Cとなっていればそれがドミナントモーションとなります。

実際の曲では、全て理論通りにコードが進行するわけではありませんが、セブンスコードの解釈自体は、理論通りで行うべきなのです。

従って、アドリブも理論通りに行うべきだと僕は思います。

この辺りの詳しい説明は、先に紹介した過去のページで解説していますので是非ご覧ください。

 

セカンダリードミナントとは?

セカンダリードミナントとは、

ダイアトニックコードへ解決するセブンスコード

のことです。

 

以下、Cメジャースケールのダイアトニックコードと、各コードに対するセカンダリードミナントコードです。

 

分析と表記について

分析する際、セカンダリードミナントは全てⅤ7として解釈します。各ダイアトニックコードを解決先の1度として解釈するので、セカンダリードミナントは全てⅤ7となるわけです。

 

実際にスタンダード曲で確認してみる

スタンダード曲に出てくるセカンダリードミナントを分析してみましょう。

 

All Of Me

E7はAm7に対するⅤ7として解釈します。実際にはAm7に進行せずA7に進行していますが、E7そのものの解釈自体はAm7に向かうⅤ7でOKです。

 

I’ll Close My Eyes

純粋なセカンダリードミナントとして解釈できるのは、A7、G7、F7、E7、D7の5つ。たくさん出てきますが、全てセカンダリードミナントとして解釈します。

Eb7はセカンダリードミナントの裏コードとして解釈します。裏コードについてはまた別の機会に解説したいと思います。

 

Someday My Prince Will Come

後半の16小節です。

先の2曲でも同じですが、よく出てくるのは、

  • Ⅴ7/Ⅱ
  • Ⅴ7/Ⅳ
  • Ⅴ7/Ⅵ

の3つです。

キーによって出てくるセカンダリードミナントはパターンが決まっているので、いくつも曲を弾いてパターンを覚えていきましょう。

 

初心者向けと呼ばれるスタンダード曲にも、セカンダリードミナントはたくさん出てきます。

まずは、そのセブンスコードが、

  • ダイアトニック内の純粋なⅤ7なのか
  • セカンダリードミナントなのか

これを瞬時に判断できるようになりましょう。

 

補足:スタンダードを弾くときのポイント

スタンダード曲には、セブンスコードがたくさん出てきます。一体どれがセカンダリードミナントでどれが裏コードなのか。最初はなかなかパッと見ただけでは判別できないと思います。

ですが、パターンと分析の手順を覚えれば少しずつ慣れてきます。そのポイントを少しだけ紹介します。

 

曲に出てくるセブンスコードは、以下の4つのうちどれかです。

  1. 純粋なⅤ7
  2. セカンダリードミナント
  3. 代理コード(裏コード)
  4. 転調したキーのⅤ7

何曲もスタンダードを練習していれば、曲のキーと、出てくるコードが、毎回ほとんど同じであることが分かってきます。

要するに、「このキーなら、出てくるコードはこんな感じだよね」というのが分かってくるということです。

 

最初は、

  • 純粋なⅤ7とセカンダリードミナント
  • それ以外のややこしいセブンスコード

というようにザックリ意識できるようになってきます

いつも出てこないようなセブンスコードが出てきたら、まずは代理コードじゃないかと疑いましょう。

純粋なⅤ7とセカンダリードミナント以外の多くは、代理コードで解釈できます。もし代理コードでもなかったら、代理コードじゃなかったら、ほぼ転調で間違いないでしょう。

 

まとめ

今回は、「セカンダリードミナントを理解する」ということで解説してきました。

セカンダリードミナントとは、

ダイアトニックコードへ解決するセブンスコード

そして、セブンスコードはⅤ7と解釈し、どこへ向かっているのかを把握することが大事。

 

実際に分析する場合は、4つの解釈で順にチェックしていきましょう。

  1. 純粋なⅤ7
  2. セカンダリードミナント
  3. 代理コード(裏コード)
  4. 転調したキーのⅤ7

 

リードシートを見た時に、純粋なⅤ7と、セカンダリードミナントをまずは把握できるようになりましょう。

そして、それ以外のややこしいセブンスコードは、代理コードと転調で解釈するという感じです。多くの場合が代理コードで解釈できますが、完全に転調していることもあるので注意しましょう。

 

セカンダリードミナントは、ジャズのアドリブにおけるとても重要な理論です。

反射的にセカンダリードミナントを把握できるように、色んな曲を練習して経験値を上げていきましょう。

セカンダリードミナント上でのアドリブについては次回解説したいと思います。

 

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