今回は、スタンダード曲に多く出てくる「Ⅱ7」についての解説をしました。 中級者向けの内容となります。
- ミクソリディアン
- セカンダリードミナント
- リディアンb7
これらのスケールや理論を理解している人で、2度のセブンスコード上のアドリブを上手くできない、何が合っているのかイマイチ分からない人は、是非参考にしてみてください。
●今回のテーマ
Ⅱ7はどのように解釈して弾くべきか?について解説します。
Ⅱ7は、他のセブンスコードよりも、明るい響きになることが特徴で、ここでは、3通りの弾き方・考え方を紹介したいと思います。
Ⅱ7を弾くための3通りの解釈とは?
Ⅱ7は、以下の3つの解釈で弾くことができます。
- セカンダリードミナントとして考える
- モーダルインターチェンジで考える
- リディアンb7を使う
では1つずつ解説していきます。
セカンダリードミナントとして解釈する
理論的には、「Ⅴ7/Ⅴ」として考えます。
ダイアトニックコードの5度セブンスに解決していくセブンスコードという解釈ですね。
キーCだと、G7に向かっていくセブンスコード=「D7」となります。
「解決」や「ドミナントモーション」を理解していない人は以下のページをご覧ください。
解釈としては、G7というメジャーのコードに解決する、明るいサウンドのセブンススケールが合う、ということになります。
基本的には、ミクソリディアンが最適です。
ただし、HP5やオルタードも合わない訳ではありません。D7→G7という進行であれば、間違いでもないです。ただし、一般的に2度のセブンスコードにオルタードテンションを付けて弾くことはありません。伴奏する場合も基本的にはナチュラルテンションの9thと13th、そして#11thの3つを付け加えることが多いです。
ですので、シンプルにミクソリディアンスケールを弾くのが最も自然で、サウンド的にも素直にマッチします。
モーダルインターチェンジで解釈する
モーダルインターチェンジとは、ルート音はそのままに、モード(スケール)を変えることで生まれるダイアトニックコードで解釈することです。
例えば、
CメジャースケールをCメロディックマイナーに変えたり、Cドリアンに変えたり、Cハーモニックマイナーに変えたり、、
そして、その変えたスケールのダイアトニックコードを一時的に拝借して、そのコードを解釈しようという理論です。
考え方としては、2度のダイアトニックコードがセブンスコードになるモード(スケール)を探して、一時的にその理論を拝借する形になります。
例えば、「D7」という2度セブンスが曲に出てきたとします。この場合、元のキーはCですね。なので、Cのルートはそのままに、2番目のダイアトニックコードが「D7」になるスケール(モード)を探します。
この場合は、Cリディアンスケールにモーダルインターチェンジをします。
Cリディアンスケールのダイアトニックコードは以下のようになります。
2度がセブンスコードになっていますね。なので、このD7の部分だけは、Cリディアンスケールのダイアトニックコードとして解釈をする、というわけです。
で、どのようなスケールを弾くのかというと、結局は「Dミクソリディンスケール」を弾くことと同じになります。Cリディアン=Dミクソリディアン=Gメジャースケールですね。
なので、キーCの曲で「D7」が出てきたら、その時だけGメジャースケールに変えればOKです。もちろん、できるならばメジャースケールに変換するよりも「Dのミクソリディアン」として考えることができる方が理想です。
結果的に、弾くスケール自体はセカンダリードミナントと同じですが、考え方としては、こちらの方がしっくり来るかなと思います。
リディアンb7で弾く
解決していないセブンスコードのの時は、「リディアンb7」でOK、という理論があります。
なので、4度進行していない2度セブンスはリディアンb7でOKということになるんですが、これではあまりにも曖昧な理論なので、きちんと理論的に裏付けをしていきます。
2度セブンスの時にリディアンb7が使える理由、それは先ほどのモーダルインターチェンジを適用すると納得がいくと思います。
リディアンb7で弾く場合は、Cのリディアンオーギュメントというスケールにモーダルインターチェンジをします。
あまり聞き慣れないスケールかもしれませんが、これはメロディックマイナーの3番目のダイアトニックコードになります。
Aのメロディックマイナーの3度のダイアトニックコードが「Cmaj7#5」です。このコードのダイアトニックスケールを、リディアンオーギュメントと言います。
このCmaj7#5を「Ⅰmaj7」と想定すると、D7は2度セブンスになりますね。なので、2度セブンスでリディアンb7スケールを弾きたい場合は、メロディックマイナーから派生したダイアトニックスケールを弾くという解釈が成り立ちます。
サウンド的には、少しアウト気味になります。普通のミクソリディアンでは物足りないなと感じたら、リディアンb7を使ってみましょう。
まとめ
Ⅱ7を弾く解釈の方法は3つあります。
- セカンダリードミナントとして考える
- Cリディアンへのモーダルインターチェンジとして考える
- リディアンb7で弾く(Aメロディックマイナーから派生)
シンプルにサウンドするのはミクソリディアンスケール。
少しアウト気味に弾きたい場合は、リディアンb7を弾くという感じが良いと思います。
キーCの場合のD7では、
D7の3rdである「F#」が特徴音となります。
Dのミクソリディアンを弾く場合、Cメジャースケールの4度(F)を半音あげるだけでDミクソリディアンが完成します。
Dのリディアンb7で弾く場合は、さらにCメジャースケールの5度(G)も半音上げてあげると完成します。
メジャースケールから必要な音を変化させる考え方はおすすめです。1つ1つスケールを覚えようとすると大変なので、知っておいて損な考え方ではないと思います。
それでは、今回は以上となります。ありがとうございました!
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