指板上の音、どこまで把握できている?真のアドリブ奏者への第一歩【ジャズギター】
今回は、指板上の音を覚える必要性について解説しています。
多くのギタリストが苦手としている「指板上の音の把握」について、
- なぜ覚える必要があるのか?
- 有効な練習方法や教材は?
などについて解説しています。
指板上の音名をどこまで理解できていますか?
ギタリストの最大の弱点である、フレットボード上の実際の音名を把握できているかどうかという問題。
ここでは、
- 指板上の音を覚えるべき3つの理由
- 指板上の音を覚えるための練習方法
この2点について解説したいと思います。
指板上の音を覚えるべき3つの理由
指板上の音を覚えるべきである3つの理由を解説していきます。
真の意味で理論に基づいたアドリブができる
多くのギタリストは、音名ではなくフレットのポジションでアドリブしているというが悲しい現実です。
ポジションで弾くことを否定はしませんが、実際に音名を同時に理解できていることが本当のアドリブです。
これが出来ている人はおそらく少数です。プロでも、実は分かっていない人もいるくらいなので。プロでも読譜が苦手だったり、音名を把握せずに弾いていたり、ということはよくあります。
ポジションだけで、音名を把握していなくても素晴らしいアドリブをすることは可能ですが、やはり、理論に基づいて今自分が何の音をどういう意図で弾いてるのかを、自分で理解していることが大切です。
その他にも、指板上の音名を覚えるメリットはあります。
他の楽器奏者と理論のお話が出来たり、
セッション時のコール&レスポンスにおいては、聴いた音を理解して音で返事をするので、理論を理解し、指板上の音が分かっていることで、きちんと音で会話をすることができるようになります。
指板上の音を把握していることで、セッションでも大いに力を発揮できる、ということですね。
瞬時にイメージした音を表現できる
指板上の音が分かっていて、理論を理解していれば、フレーズやスケール、手グセではない、その場で感じた音をそのまま表現できます。
これは、ポジションだけで弾いている人には不可能です。
・その時に弾ける音が分かっている=理論を理解している
・その音がどこにあるか把握している=指板上の音を覚えている
この2つの要素が揃って初めて、手グセ以外のフレーズを、その場で瞬時に作り出すことが可能になるのです。
フレーズだけに頼っていては天井はすぐそこです。
弾いて良い音を理解して、その音がどこにあるかを把握していれば、その瞬間にしか存在しないフレーズを弾くことができるというわけです。
楽譜に強くなる
ギターは、同じ音を色んな場所で出すことができるが故に、余計なオプションが増えるため、譜読みの難易度は上がってしまいます。
ですので、ポジションごとに、どの場所でその音が出るのかを把握していることが重要です。
同じ「ド」であっても、その後のメロディーがどう繋がっていくかで、どのポジションの「ド」を弾くのが最適なのかを判断するべきなんです。
その時に、指板上で1つや2つしか「ド」の位置を知らなかったら、その時点で完全に白旗を上げることになってしまいます。
指板上の音を把握していることは、
読譜力・初見力を高める最も重要かつ必要不可欠な要素の1つ
と断言できます。
指板上の音を覚えるための練習方法
練習方法はたった1つしかありません。
初見!
以上です(笑)。
とにかく楽譜を読んで弾くこと。
残念ながら、これ以外に効率的で合理的な方法はありません。
最初は退屈で辛いですが、読めるようになればなるほど、難しい課題に挑戦する楽しさが芽生えます。
根気強く頑張りましょう。
どのような楽譜を読めばいいの?
できれば音の羅列を読みましょう。
スタンダードのメロディーを弾くってのもアリですが、できれば多くの音を読み弾きしたいので、音の羅列になっているものを選ぶのがオススメです。
例えば、
- バッハのInvensionとか
- パガニーニの変奏曲とか
ですね。
基本的には、単旋律のメロディーが続いているものがおすすめです。
クラシックギターみたいなソロギター系はあまりおすすめしません。
僕はバークリーの時に、Reading専用の教本を使っていました。
下記の2冊ですね。
こっちが普通レベル。
で、こっちがAdvancedです。
もし教本を使うなら、この2冊が圧倒的におすすめです。読譜専用の教材なので、音の羅列を読み続けることができる内容になっています。
もう一点、もし教材を選ぶなら、
リズムを気にせず弾けるものを選ぶ
というのも大事です。
目的は指板上の音を覚えることです。
音に集中できる素材を選ぶべきなので、8分音符や16分音符の羅列が理想です。
細かいリズムによるメロディー譜を選んでしまうと、音を読むことと、リズムを読むことの両方が必要になるので、どっちつかずになってしまいます。
なるべく、音を読むことい集中できる教材を選びましょう。
まとめ
指板上の音を把握できているかどうかというお話でした。
指板上の音を覚えるべき3つの理由
- 真の意味で理論に基づいたアドリブができる
- 瞬時にイメージした音を表現できる
- 楽譜に強くなる
指板上の音を覚える方法
- 初見練習のみ!
- これ以上の方法はない
練習するなら、「Reading studies for guitar」がおすすめ。
- 楽譜を選ぶときは、なるべく音の羅列になっているものを選ぶ
- リズムに気を取られないような内容のものが理想
本当にきちんとアドリブをしたいなら、指板上の音を覚えることは、避けては通れない大きな壁です。
ただし、読譜の練習も上達すればするほど楽しくなるし、
これまで理論とアドリブが乖離していた人も、きちんと理論がアドリブのために作用してくれるのを実感できます。
指板上の音を覚えることが、真のアドリブ奏者への大きな第一歩であることは間違いない
ということで、今回はこれで以上となります。
ありがとうございました!
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