今回は、「コードスケールは個別に意識するべきか?」というお話です。
よく、分析(アナライズ)の時は、ドリアンやらミクソリディアンやらとあれこれ言いますが、実際のアドリブでは、本当にそのように考えて弾いているのか、という質問をよく受けます。
ここでは、メジャースケールと「それ以外」という捉え方について解説をしていきたいと思います。
アドリブ中にコードスケールを個別に考える必要はない
早速結論です。
「アドリブ中にコードスケールを個別に考える必要はない」
これが答えです。
要するに、ここはドリアン、ここはフリジアン、ここはリディアンみたいに、いちいちスケールを変換しながらアドリブをする必要はないということです。
では詳しく解説していきます。
コードスケールとは?
一応確認しておきましょう。
コードスケールとは、別名「ダイアトニックスケール」「モード」などと呼ばれる、基準となるスケール(多くはメジャースケールで語られる)の7つの各音から始めるスケールです。
「イドフリミエロ」で覚えた人も多いのではないでしょうか。
7つのスケール名を確認しておきます。
- イオニアン(アイオニアン)、Ⅰmaj7
- ドリアン、Ⅱm7
- フリジアン、Ⅲm7
- リディアン、Ⅳmaj7
- ミクソリディアン、Ⅴ7
- エオリアン、Ⅵm7
- ロクリアン、Ⅶm7b5
スケールの名前はもちろん、それが何番目のスケールで、尚且つ、何のコードの時に使うスケールなのかをきちんと覚えましょう。
- ドリアンはm7の時に弾くやつ
- ミクソリディアンは7thコードの時のスケール
といった感じですね。
では本題に移りましょう。
コードスケールを個別に意識しているのか?
これらの7つのスケールを、アドリブの時に意識しているのかどうかを解説していきます。
あくまで僕個人の考え方なので、違うと思う人はスルーしていただいてOKです。
例えば、「Fly me to the moon」をやるとして、ダイアトニックコードの部分は全てコードスケールで弾きます。
これは、Fly me to the moonの最初の16小節です。青文字でコードスケールを記しています。
で、これらのダイアトニックコードを全て別々に意識しているか?
僕自身の結論としては、
となります。
ポイントは2つあります。
ポイント① スケールよりもコードトーンを把握しておく方が大事
1つ目のポイントは、各コードの構成音(コードトーン)を把握しておく事です。
コードに沿ってアドリブをするなら、コードスケールを意識するよりも
です。
- 各コードの3rdを把握している
- コードトーンの場所を覚えている
この方が、コードスケールよりも237倍重要です。
3rdの重要性については、過去の動画でも解説していますので是非チェックしてみてください。
ポイント② どれがダイアトニックでどれがそうではないかを把握する
ダイアトニックコードに対する各コードスケールを意識することよりも、
「どれがダイアトニックで、どれがそうではないのか?」
これをできるだけ早く判断できるようになることが大事です。
これができれば、アドリブの考え方を整理できて、きちんと考えてフレージングしなければいけないセカンダリードミナントや裏コード、転調部分などに気を配ることができます。
ダイアトニックコード以外をどうやって弾くか?
コードスケールは個別に考えず、ダイアトニックコードはメジャースケールでOKという考えは理解できたでしょうか?
では、ダイアトニック以外、メジャースケール以外の音を使わなければいけない部分のアドリブについても簡単に解説しておきます。
ざっくり4つの考えがあり、そのどれに当てはまるかを判断しましょう。
- セカンダリードミナントなのか?
- 代理コードなのか?
- サブドミナントマイナー(モーダルインターチェンジ)なのか?
- それとも転調しているのか?
スタンダードをやるなら、ダイアトニックコード以外のコードは上記のどれかに当てはまります。
それぞれ弾き方が違うので、ここを早くマスターしていくべきだと思います。
順番としては、
まずはセカンダリードミナントを極めましょう。
ジャズスタンダードを弾く上で、最も重要かつきちんと理解してアドリブしたいのが、セカンダリードミナントコードです。
youtubeでセカンダリードミナントについて詳しく解説をしているので、是非参考にしてみてください。
コードスケールは、きちんと理論を分かっていればそれでOKです。
アドリブの時は、
- メジャースケールで弾く部分
- そうでない部分
を分けて考える。これで良いと思います。
セカンダリードミナントのアドリブ方法については下記の動画を参考にしてみてください。
まとめ
今回は、「コードスケールは個別に意識してアドリブをするべきか?」という質問について、僕の考えをシェアしました。
基本的には、個別に意識する必要はないと思います。
ただし、コードスケールの理論は理解しておくべきです。7つのコードスケールと度数の関係、そのスケールを使うコードの種類などですね。
そして、大事なのは、
です。
ダイアトニックコードはメジャースケールで、それ以外は、別の理論で弾くという考えが一番合理的です。
コードスケールの名前と、どのコードの時に使うか、これらは、モードの曲を弾く時などに必要な知識でもあるので、覚えておく必要はあります。
しかし、モードの曲以外の場合は、あまり難しく考えずに、ダイアトニックコードははメジャースケールで弾き、それ以外のコードの時にどんな音を加えれば良いかを覚えていきましょう。
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