フレーズ当てはめ型のアドリブはアリ?なし?【前編】
今回は、アドリブにおける「フレーズ当てはめ型」は、アリなのか?ナシなのか?について解説しました。
「フレーズ当てはめ型」を上手く活用する具体的な方法も紹介しています。
フレーズを当てはめ型で弾いている人が悩んでいる問題
僕の所にレッスンをお願いしに来てくれる方々の多くが、フレーズ当てはめ型のアドリブから脱出したくて門を叩いてくれます。
おそらく、多くの独学者が悩んでいる理由の1つなのではないかと思います。
そして、この弾き方でのアドリブから抜け出したいと思っている多くの人は、
・実は理論を理解していない
・アドリブがすぐにマンネリ化してしまう
・手グセばかりで自分のアドリブにウンザリしている
といった問題を抱えています。
この方法でアドリブで良いのか悪いのかは、その人が理想とする目的地によって異なります。
・ジャズっぽい雰囲気で弾くことができればOK
・ジャズっぽいフレーズをアドリブで使うことができればOK
・そもそも理論をきちんと勉強するつもりもない
こういった場合は、フレーズ当てはめ型で練習を続けても良いかなと思います。
ただし、
・きちんと理論も理解して弾きたい
・もっと自由にアドリブできるようになりたい
・プロになりたい
こういう場合は、フレーズ当てはめ型に頼ってはいけません。きちんと理論を勉強して、アドリブの技術を高めるために地道にコツコツ積み重ねていくしかありません。
では、後者の場合、フレーズ当てはめ型は辞めるべきなのかどうか、この点を解説していきます。
実際、フレーズ当てはめ型のアドリブはアリなの?ナシなの?
結論から言うと、
僕はアリだと思います。
理由は、
僕自身がフレーズ当てはめ型からスタートしたから。
これは僕が専門学校の学生の時の話なんですが、
アンサンブルの授業で「The Chicken」をやったんです。それまでは、Bb一発で弾いていたんですが、ある時、偶然練習していたフレーズがD7の部分にピタっとハマったんです。
確か「枯葉」を練習していて、D7のオルタード的なフレーズを練習していました。それが、「Chicken」のD7の上でも完璧にサウンドしたんですね。
今でもあの感覚は忘れていません。僕が、
「コードに対して合った音を弾く」ことを初めて体感した瞬間でした。
それと同時に、
フレーズは使いまわすことができること
を知った瞬間でもありました。
この経験から、
フレーズを学ぶことには意味があることを認識しました。
その後、フレーズを発展させていく方法を模索し始める、というフェーズに入りましたね。
では話を戻します。
フレーズ当てはめ型は「アリ」ということでした。
ただし、4つの条件があります。
・これからプロになるつもりがない人
・ジャズっぽい雰囲気さえ出ればOKという人
・理論を理解せずとも楽しく弾ければOKという人
・耳で合っている合っていないを判断出来る人
これらの条件に1つでも当てはまる人は、フレーズ当てはめ型のアドリブでも問題ないと思います。
逆に、これ以外の人は、絶対にナシです(笑)。フレーズ当てはめ型だけでは成長に限界があると思います。
フレーズを当てはめて弾く練習はOKですが、理論と指板上の音を理解してアドリブの能力を高めていく必要があります。
それに、フレーズ当てはめ型で頑張っていくのは大変です。
どれだけ多くのフレーズを持っているかがそのまま戦闘力になる、ということ。
多くの人が、すぐにマンネリ化して自分のアドリブに嫌気が差してしまうのは、これが主な原因かと思います。
単純にフレーズ不足ってことですね。
もし、フレーズを山ほど蓄える気力や時間がない人は、これから紹介する方法で、フレーズ当てはめ型を上手く活用しましょう。
ということで、次のページからは、フレーズ当てはめ型をうまく活用する方法について解説していきます。
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